【日時】平成20年3月16日(日)JMRA主催 |
石岡市/旧八郷町『古材活用の新築』&『茅葺屋根の民家』視察
参加及び取材:日本民家再生リサイクル協会正会員 潟Aップル 大竹清彦
【古材を活用した新築住宅】
今回、わたしたちJMRA日本民家再生リサイクル協会のメンバー54名は、ここ茨城県、石岡市(旧八郷町)に集合いたしました。
午前中は、古民家を手解きで解体し、現地で見事に新築再生させた『新古民家』を見学しました。
午後は、地元で活躍される『茅葺屋根保存会』のメンバーとの交流会を、現地の茅葺民家でおこないました。昨年末の、つくば市、高分子研究センター敷地内での『ヨシ刈りボランティア』以来の再会となり、今後も、活動を活発化させ、日本の原風景が残る『八郷町・茅葺集落』の保存活動に協力してまいりたいと思います。
再生前の菅谷邸(Before)
再生後の菅谷邸(After)
古材の曲がり松は古色できれいに再生された。新材は八溝杉とヒノキ、地松と針葉樹が中心
左から施主菅谷氏、設計吉田氏、大工棟梁大槻氏
当日は、京大やデンマークからの留学生の参加もありました。
南面に大きく張り出す軒。夏は日射を遮り、冬は傾斜の低い日射を土間に蓄熱させ自然エネルギーを活用するパッシブデザイン
【古民家再生の環境的側面】
日本の産業廃棄物のうち約20%を建設廃棄物が占め、民生部門のエネルギーのうち約45%を住宅が占めると言われる。社会全体の環境負荷の低減を図るには、この住宅建築をいかに環境配慮型に変えていくかが重要な課題です。住宅建材のリサイクル率向上や生活エネルギー使用量減少はどうすれば可能なのか?わたしたちは伝統的な素材、工法に、関わる最先端の知識に触れ、エコロジカルな視点からも民家再生に注力しています。
毎年建っている戸建住宅は約数十万戸で、最新の技術、性能を持ちます。しかし、立て替えればで、産業廃棄物と大量のゴミを発生させます。そして、もうすでに建ってしまっている既存住宅1500万戸はどうすればいいのでしょうか?わたしたちはリモデル、リフォーム(欧米ではリフォームというと歯の矯正の意味も含まれ、一般的にはリモデリング、ホームインプルーブメントと言われています。)を通じて、ゴミ問題も含むエネルギーなどの環境負荷低減をはかってまいります。とりわけ大きな機械装置(製造エネルギーが多大で廃棄時にリサイクルできないものを主に言います)の導入でアクティブな「省エネ」を図る方法よりも、より自然エネルギーをそのままの形で活用するパッシブな「省エネ」デザイン、設計を心がけていこうと考えます。
【茅葺屋根の古民家】
八郷町には約70棟の『茅葺の里』があります。昨年末に、この八郷町の地元の『茅葺屋根保存会』とわたしたちボランティア150余名は『つくば市』の高分子研究センターでヨシ刈りを行いました。八郷の葺替えに使わためのヨシ刈りです。午後私達は、地元保存会の方々と、築200年になる古民家で交流会を行い、早春の一日を美しい里山と日本の原風景が残る茅葺集落で過ごしました。
デンマークからの留学生も参加し東西の茅葺文化の交流も深めることが出来ましたが写真の彼氏のお父さんの実家は、現在も茅葺のコテージを保存しているそうです。ヨーロッパの戦後でも、日本と同じように茅葺屋根は激減しましたが、現在は高級住宅地などのステータスシンボルとして使われ人気が高いそうです。・・・
さて、日本の茅葺について。かつての日本の茅葺文化は農村生活と深く結びつき社会活動とのかかわりが欠かせませんでした。筑波一帯は、江戸城の鬼門を守る門前町として栄え、特に筑波山麓では江戸末期からは専門職として『茅葺職人』が成り立ち、地方ごとに特異な形の技術が発達しながら、地域社会と強い関わりを持ってきました。村人は『ユイ・結』を組織し、茅葺を手伝い『古茅』は大切にリサイクルし、重要な肥料として農地に還元され、その『マテリアル』自体も地域で循環していました。
筑波の茅葺屋根の『軒』の特徴は、軒が5〜7段も葺いた重厚なものが多く、『屋根グシ』はカマボコ型の丸グシが特徴です。
『ふるさと』というところは、我慢や不自由の多いところですが、その中で人は一生懸命に美的な誇りを探し美しく幸福に生きようとしています。その力こそ今の時代に必要だと『八郷』は、私達に教えようとしています。『町守り』は『町興し』に名を借りた開発行為とは異質のものでしょう。
『町守り』とは文化をその地で、地道に頑なに守り続けること。そこでは、簡単には壊さず大切に長く使う知恵が凝縮されています。作っては壊す、日本の現状の見直しは急務でしょう。次回は群馬の『桐生の町守り』を取材します。
NPO日本民家再生リサイクル協会正会員(株)アップル 大竹清彦
JMRA日本民家再生リサイクル協会のメンバーと八郷茅葺保存会との交流会
保存会の坂入氏
デンマークの留学生カップルと記念撮影
筑波の茅葺の特徴・・・屋根グシは『カマボコ型』の丸グシ、『軒』は5〜7段葺きのものが多い
数十トンは軽く超える茅葺屋根
坂入邸の裏山から。日本の原風景が広がる
近くの里山から切出した地場ヒノキ
―栃木・藤岡町/2007月11月/青木邸・古民家解体―
静かな農村地帯に昔懐かしい風情を残す「青木邸」は江戸時代には、この土地で栄えていた大規模な農家。現在、旧道沿いに立つこの家の母屋は約100年前のもの。昔は街道の両脇に茅葺屋根の家々が立ち並ぶ日本の原風景を残す土地でもあった。最近はテレビの番組でも多く登場するようになった古民家とはいえ、子供の頃には「暗くて寒くて怖い」場所と思い育ったそうです。お母さんとの2世帯住宅を建てる決意をされたものの、祖先が使い残してくれたこの母屋をただ解体することに寂しさを感じていらした青木さんご夫婦。「まだ、使えるものなら是非、再生に活用て使い続けて下さい」と。まさに「200年住宅」の真髄ではないでしょうか?昔から、捨てずに大切に使い続けてきた構造材。本来、日本では当たり前に行われてきた建築文化です。もちろん、何もせず、200年耐用できるものなど何処にもありません。定期的に修理修繕し、次代を越え愛着を持ちながらメンテナンスし熟成されてきたのです。大切に使い住み続ける社会の実現。これこそがわたしたちの目指す「200年住宅」の意味するところではないでしょうか?青木さん、わたしたちアップルで古材として立派にリモデリングで大切に活用させていただきますよ。
当時の貫工法(在来工法の原型)や竹小舞の土壁。地場の欅と松の曲がり梁が素晴らしい。
古材活用リモデリング Before⇒After
よくある普通の和室 「古材の柱」で作った「自在ガキ」をぶら下げ、囲炉裏風の設えに。
「古材梁」を4本使っています。
古民家では、歴史文化的な背景を知ることで、ものの真の価値を知ることが出来ます。裏付けある知識を持つことで「先人たちの知恵」のルーツを知ることが出来ます。それらを正しく知ることで、またその知恵をより活用するという長い年月をかけ熟成されてきたし、先人達の知恵を尊び、スローフード、スローライフの精神が芽生えてきたのだと思います。
「エコの先端をいく文化を取り戻す」ビンテージリフォーム
江戸時代から、木材を再利用するのは当り前の時代でした。これがいつしか捨てる文化に変わってしまった。究極のエコロジーは、そのままの形で出来るだけ長く使うこと。ビンテージリフォームは、そんな私達の考えが詰まったコンセプト・リフォームです!リフォームアップルで強力に推進中!
古材を多用するビンテージリフォームは、高い志と古来の伝統工法の豊富な見識を習得した古材施工技術士に是非一度ご相談下さい。
===大切なものを壊さない。使い継ぎ再生させる。===福島県会津から古材を入荷しました。=== |
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