【日時】平成20年4月19日(土)JMRA主催 |
桐生市/本町1・2丁目界隈『ノコギリ屋根』と『文化財』建物視察
参加及び取材:日本民家再生リサイクル協会正会員 潟Aップル 大竹清彦
【近代化をノコギリ屋根で切り開いた機織の町】
春の一日、わたしたちJMRA日本民家再生リサイクル協会のメンバー30余名は、群馬県、桐生市でおこなわれた地元『まちづくりの会』の方々と交流し、消え行く『ノコギリ屋根』を活用したリノベーションの事例や『重要伝統的建造物保存地区』としての地域の取り組みについて学んでまいりました。
午前中は、天満宮(県指定重文)から南に一直線に延びる本町通り界隈を視察し、唯一現存するレンガ造の『ノコギリ屋根』工場である『金谷レース工場(登録文化財)』のリノベーションと葛燻q織物の工場見学と金子邸の民家再生、ノコギリ屋根の織物工場をアーティスト・ファクトリーにリノベーションした『無鄰館(登録文化財)』を視察しました。JMRA日本民家再生リサイクル協会・まちづくり調査委員会では、今後の桐生市でのまちづくりの事例や保存諸活動においても協力してまいりたいと思います。
『本町1・2まちづくりの会』森壽作会長らが中心となり『重要伝統的建造物保存地区』に向けた精力的な活動を展開中である。
天満宮からの視察に始まりました。
『金谷レース工業(国登録有形文化財)』は大正8年建築の桐生市に唯一現存するレンガ造『ノコギリ屋根』建築物。
再生事業としてリノベーションが完了し2008年4月20日(日)からはベーカリーレストランとして再活用される。
レンガの幅は23a、漆喰壁に隠れていたものを今回現わしで使用した。レンガ積みはイギリス式である。
外壁に面した梁と柱の接合部分は、長い年月の間、レンガの隙間から雨水が入り腐っていた。リノベーションにあたり、構造はH形鋼とブレスで補強。
北側の天窓からの採光は、一定の日射を利用する目的で付けられた。織物や生糸生産における目視には最適であった。
旧・金谷レース工業のレンガ造の『ノコギリ屋根』:左 大谷石造の『ノコギリ屋根』:右
葛燻q織物と金子邸私邸の民家再生
金子織物の工場内で今も現役の職人と機織の機械(昭和35年製)
『無鄰館(登録文化財)』:ノコギリ屋根の織物工場をアーティスト・ファクトリーにリノベーション。
無鄰館 北川代表は、小江戸川越の再生と桐生との違いを、「群馬大工学部」と「文化庁」の史跡調査を経て『重要伝統的建造物保存地区』に向けた町づくり
にある点を力説された。
現在、9人のプロ・アーティストガここで活動を展開中である。
町歩き:天満宮から一直線に延びる本町通りは幅6間、奥行き40間の区画で左右に蔵造りの商家の佇まいという施策の街並みが慶長11年に出来た。
天満宮に向かい、道路側の建物は道路に対し、斜めに建てられ、美しい壁の街並みを展開している。
【旧・矢野蔵群:明治・大正の桐生商業を支えた土蔵群】
旧・矢野本店店舗:二代目矢野久左衛門が寛保2年に現在地に店舗を構えた。現在は喫茶レストランとしてリノベーションされた。
旧・矢野蔵群:かつてレンガ蔵のこの建物は酒類、味噌、醤油の醸造を行う場所であったため、機織工場のように屋根はノコギリ型ではない。現在は陶器など手工芸
などを販売するスペースとして活用されている。(市指定重要文化財)
若宮:豆腐料理店
養蚕産業が盛んであった上州は、ここ桐生では桑畑農家⇒養蚕産業⇒絹糸生産⇒織物工業という地場産業で最盛期にGNP15%を占めるほどの大規模であった。
若宮は、養蚕のこの建物をリノベーションした本格的豆腐料理店である。天井には地松の梁で天井には養蚕の笊をリモデルで活用している。
後藤織物(国登録有形文化財):明治13年初代後藤定吉が現在地に居を構えて以来、織業とともに洋式染色技術をいち早く導入し、明治初期の桐生織業に貢献した。
【古民家再生の環境的側面】
日本の産業廃棄物のうち約20%を建設廃棄物が占め、民生部門のエネルギーのうち約45%を住宅が占めると言われる。社会全体の環境負荷の低減を図るには、この住宅建築をいかに環境配慮型に変えていくかが重要な課題です。住宅建材のリサイクル率向上や生活エネルギー使用量減少はどうすれば可能なのか?わたしたちは伝統的な素材、工法に、関わる最先端の知識に触れ、エコロジカルな視点からも民家再生に注力しています。
毎年建っている戸建住宅は約数十万戸で、最新の技術、性能を持ちます。しかし、立て替えればで、産業廃棄物と大量のゴミを発生させます。そして、もうすでに建ってしまっている既存住宅1500万戸はどうすればいいのでしょうか?わたしたちはリモデル、リフォーム(欧米ではリフォームというと歯の矯正の意味も含まれ、一般的にはリモデリング、ホームインプルーブメントと言われています。)を通じて、ゴミ問題も含むエネルギーなどの環境負荷低減をはかってまいります。とりわけ大きな機械装置(製造エネルギーが多大で廃棄時にリサイクルできないものを主に言います)の導入でアクティブな「省エネ」を図る方法よりも、より自然エネルギーをそのままの形で活用するパッシブな「省エネ」デザイン、設計を心がけていこうと考えます。
『ふるさと』というところは、我慢や不自由の多いところですが、その中で人は一生懸命に美的な誇りを探し美しく幸福に生きようとしています。その力こそ今の時代に必要だと『八郷』は、私達に教えようとしています。『町守り』は『町興し』に名を借りた開発行為とは異質のものでしょう。
『町守り』とは文化をその地で、地道に頑なに守り続けること。そこでは、簡単には壊さず大切に長く使う知恵が凝縮されています。作っては壊す、日本の現状の見直しは急務でしょう。次回は北京オリンピックで建設ラッシュの傍らで消え行く中国の『胡同』を取材し、伝統的民家形式である『四合院』建築を取材します。
NPO日本民家再生リサイクル協会正会員(株)アップル 大竹清彦
―栃木・藤岡町/2007月11月/青木邸・古民家解体―
静かな農村地帯に昔懐かしい風情を残す「青木邸」は江戸時代には、この土地で栄えていた大規模な農家。現在、旧道沿いに立つこの家の母屋は約100年前のもの。昔は街道の両脇に茅葺屋根の家々が立ち並ぶ日本の原風景を残す土地でもあった。最近はテレビの番組でも多く登場するようになった古民家とはいえ、子供の頃には「暗くて寒くて怖い」場所と思い育ったそうです。お母さんとの2世帯住宅を建てる決意をされたものの、祖先が使い残してくれたこの母屋をただ解体することに寂しさを感じていらした青木さんご夫婦。「まだ、使えるものなら是非、再生に活用て使い続けて下さい」と。まさに「200年住宅」の真髄ではないでしょうか?昔から、捨てずに大切に使い続けてきた構造材。本来、日本では当たり前に行われてきた建築文化です。もちろん、何もせず、200年耐用できるものなど何処にもありません。定期的に修理修繕し、次代を越え愛着を持ちながらメンテナンスし熟成されてきたのです。大切に使い住み続ける社会の実現。これこそがわたしたちの目指す「200年住宅」の意味するところではないでしょうか?青木さん、わたしたちアップルで古材として立派にリモデリングで大切に活用させていただきますよ。
当時の貫工法(在来工法の原型)や竹小舞の土壁。地場の欅と松の曲がり梁が素晴らしい。
古材活用リモデリング Before⇒After
よくある普通の和室 「古材の柱」で作った「自在ガキ」をぶら下げ、囲炉裏風の設えに。
「古材梁」を4本使っています。
古民家では、歴史文化的な背景を知ることで、ものの真の価値を知ることが出来ます。裏付けある知識を持つことで「先人たちの知恵」のルーツを知ることが出来ます。それらを正しく知ることで、またその知恵をより活用するという長い年月をかけ熟成されてきたし、先人達の知恵を尊び、スローフード、スローライフの精神が芽生えてきたのだと思います。
「エコの先端をいく文化を取り戻す」ビンテージリフォーム
江戸時代から、木材を再利用するのは当り前の時代でした。これがいつしか捨てる文化に変わってしまった。究極のエコロジーは、そのままの形で出来るだけ長く使うこと。ビンテージリフォームは、そんな私達の考えが詰まったコンセプト・リフォームです!リフォームアップルで強力に推進中!
古材を多用するビンテージリフォームは、高い志と古来の伝統工法の豊富な見識を習得した古材施工技術士に是非一度ご相談下さい。
===大切なものを壊さない。使い継ぎ再生させる。===福島県会津から古材を入荷しました。=== |
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