【日時】平成20年11月1日(土) |
高い技術力と係数計算で『京町家』を守る職人集団 |
【江戸〜太平洋戦争前時迄の京町家】
京町家など古民家の改修が業容の7割を占めるアラキ工務店さんは、掛け値なしの『いい腕』を持つ職人集団です。束ねるのは荒木会長親子、京都の伝統的な家屋を知りつくすスペシャリスト集団達です。京町家は、江戸後期から太平洋戦争前までに主に、京都の中心街で建てられたもので、間取りなどの形態は様々です。構造的には柱間に横梁を通さずに、側柱が直接屋根の重みを支えているのが、共通した特徴です。これは大地震のときに大屋根の揺れが直接地面に逃げる工法だといわれています。京町家は同等の他の家屋に比べ7割程度の材料しか使われない、そういう意味でも優れた工法です。少し前ですが、2001年の京都市の調査時点で市内に27000件あり、現在は約20000万件ですから、大きく減少していることになります。どんどんとマンションなどに建て代わり、なんと年間1000件以上減り続けていることがわかります。そのような時代背景で『京町家』をメンテナンスできる腕を持つ職人も減少傾向にあります。今の普通の大工さんは、電動工具の普及でノミや鉋などはあまり使いません。でも『京町家』や『古民家』ではプレカット工場に持ち帰ることはできず、家の形態や柱などの状態で電動工具が使えない場合もままある。当然ですが、そこに対応するにはノミや鉋を操る伝統的な職人の腕が必要になります。荒木さんはそれを社内で徹底してきたことで差別化をはかってきました。社寺仏閣の改修もやりますが、普通の『京町家』もやる。簡単にまねできないノウハウが詰まっています。基本的には京町家の構造に合致した仕事をしないとダメで、構造を無視した見栄えだけの改修は全体のバランスが狂い、とても弱い家になってしまう。阪神淡路大震災のときも無理な改修をしたものは数多く倒壊しました。アラキ工務店さんには16名の常用大工さんがおり、ほぼ専属の5名の日給大工ですが、リフォーム主体でこれほど多くの職人を抱える工務店はあまり見たことはありません。京都の伝統家屋はこういった人々に支えられ、少しでも『京町家』の減少を食い止めてほしいと感じました。
京町家の保存に情熱を注ぐ。社寺関連の仕事にも定評がある。荒木正亘会長
様々な形態をもつ『京町家』であるが、間口で納税額が決まったために、このように奥に長く、
手前の店〜住居〜台所〜中庭から奥の蔵へと続く設えが多い。
【京都市内の顔】
取材:日本民家再生リサイクル協会正会員 潟Aップル・リフォームアップル自治医大店 高村文枝
【古民家再生の環境的側面】
日本の産業廃棄物のうち約20%を建設廃棄物が占め、民生部門のエネルギーのうち約45%を住宅が占めると言われる。社会全体の環境負荷の低減を図るには、この住宅建築をいかに環境配慮型に変えていくかが重要な課題です。住宅建材のリサイクル率向上や生活エネルギー使用量減少はどうすれば可能なのか?わたしたちは伝統的な素材、工法に、関わる最先端の知識に触れ、エコロジカルな視点からも民家再生に注力しています。
毎年建っている戸建住宅は約数十万戸で、最新の技術、性能を持ちます。しかし、立て替えればで、産業廃棄物と大量のゴミを発生させます。そして、もうすでに建ってしまっている既存住宅1500万戸はどうすればいいのでしょうか?わたしたちはリモデル、リフォーム(欧米ではリフォームというと歯の矯正の意味も含まれ、一般的にはリモデリング、ホームインプルーブメントと言われています。)を通じて、ゴミ問題も含むエネルギーなどの環境負荷低減をはかってまいります。とりわけ大きな機械装置(製造エネルギーが多大で廃棄時にリサイクルできないものを主に言います)の導入でアクティブな「省エネ」を図る方法よりも、より自然エネルギーをそのままの形で活用するパッシブな「省エネ」デザイン、設計を心がけていこうと考えます。
『ふるさと』というところは、我慢や不自由の多いところですが、その中で人は一生懸命に美的な誇りを探し美しく幸福に生きようとしています。その力こそ今の時代に必要だと『八郷』は、私達に教えようとしています。『町守り』は『町興し』に名を借りた開発行為とは異質のものでしょう。
『町守り』とは文化をその地で、地道に頑なに守り続けること。そこでは、簡単には壊さず大切に長く使う知恵が凝縮されています。作っては壊す、日本の現状の見直しは急務でしょう。
NPO日本民家再生リサイクル協会正会員(株)アップル 大竹清彦
―栃木・藤岡町/青木邸・古民家解体(2007.11月) ⇒小山市/塩田邸・古材梁を再活用したリモデルへ(2008.7月)―
静かな農村地帯に昔懐かしい風情を残す「青木邸」は江戸時代には、この土地で栄えていた大規模な農家。現在、旧道沿いに立つこの家の母屋は約100年前のもの。昔は街道の両脇に茅葺屋根の家々が立ち並ぶ日本の原風景を残す土地でもあった。最近はテレビの番組でも多く登場するようになった古民家とはいえ、子供の頃には「暗くて寒くて怖い」場所と思い育ったそうです。お母さんとの2世帯住宅を建てる決意をされたものの、祖先が使い残してくれたこの母屋をただ解体することに寂しさを感じていらした青木さんご夫婦。「まだ、使えるものなら是非、再生に活用て使い続けて下さい」と。まさに「200年住宅」の真髄ではないでしょうか?昔から、捨てずに大切に使い続けてきた構造材。本来、日本では当たり前に行われてきた建築文化です。もちろん、何もせず、200年耐用できるものなど何処にもありません。定期的に修理修繕し、次代を越え愛着を持ちながらメンテナンスし熟成されてきたのです。大切に使い住み続ける社会の実現。これこそがわたしたちの目指す「200年住宅」の意味するところではないでしょうか?青木さん、わたしたちアップルで古材として立派にリモデリングで大切に活用させていただきます。
Before(青木邸)
当時の貫工法(在来工法の原型)や竹小舞の土壁。地場の欅と松の曲がり梁が素晴らしい。
After(再生リモデル完成しました・塩田邸)
増改築前(外観) (和室) (廊下) 改装中:古材をクレーンで搬入
改装中:青木さんの地松の古材梁を2本活用、ドイツ・リボス自然素材塗料で綺麗に蘇る。
改築後(廊下)杉の古材柱を廊下でも活用、手洗いをしつらえ、トイレも増設。内装はスイス本漆喰左官&ドイツ・ウッドチップクロス張り
改築後(寝室)
改築後(和室:1) 内装:ドイツ・ウッドチップクロス (和室:2)内装:愛知・桃山土壁(弁柄壁)
その他の古材活用リモデリング例 Before⇒After
よくある普通の和室 「古材の柱」で作った「自在ガキ」をぶら下げ、囲炉裏風の設えに。
「古材梁」を4本使っています。
古民家を見て、その素晴らしさに感動する人は多い。その佇まいはわたしたちの五感に訴えるものは非常に多いが、本当の素晴らしさと意味するところは、自然のシステムが無駄なく利用されている先人たちの知恵に気づく点です。民家に蓄積された仕掛け、例えば風を防ぐ工夫、逆に風を導く工夫、高湿から室内を守る工夫、暗さを補う天窓の工夫といった仕掛けは、わたしたちのスローライフな暮らし方を見直すことを教えてくれます。これは過去への回帰を意味するのでなく、未来の住宅のために、伝統技術を見直し、継承し、新しい知恵を加えるということにつながって行きます。 民家の様々な歴史、文化的な背景を知ることは、ものの真の価値を知ることも出来ます。 裏付けのある知識を持つことで「先人たちの知恵」のルーツを知ることが出来ます。 例えば、家族団らんの食事は囲炉裏を囲んで・・・と思われていますが実は、『囲炉裏』は養蚕のための暖房であり、生活に余裕はなく、封建的なスタイルで食事は各自お膳で取っていた・・・。 しかし、現在はそのような封建的な風習はありませんから、『囲炉裏』は家族で仲良くみんで囲めばいい。 このように、民家を知ることは、わたしたちの先人たちの、地域にあった住まい方を正しく知り、その知恵を活用し、さらに長い年月をかけ熟成させていくものではないでしょうか。
「エコの先端をいく文化を取り戻す」ビンテージリフォーム
江戸時代から、木材を再利用するのは当り前の時代でした。これがいつしか捨てる文化に変わってしまった。究極のエコロジーは、そのままの形で出来るだけ長く使うこと。ビンテージリフォームは、そんな私達の考えが詰まったコンセプト・リフォームです!リフォームアップルで強力に推進中!
古材を多用するビンテージリフォームは、高い志と古来の伝統工法の豊富な見識を習得した古材施工技術士に是非一度ご相談下さい。
===大切なものを壊さず、使い継ぎ再生させる。福島県会津から古材を入荷しました。=== |
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