栃木県/【日光田母沢御用邸】 次代に伝える技と伝統、そして文化

【日時】平成21年4月15日(水)

                    日光市/本町【田母沢御用邸】視察
                           
御用邸の歴史と伝統
大正天皇の静養地として明治32年に造営された御用邸は、即位後の大正7〜10年に大規模な増改築が行われ現在の姿となりその規模は床面積で1360坪。
3階以外全部一繋がりの建物で一棟の床面積では日本一の木造建築です。3階建の主屋は天保11年に現在の赤坂迎賓館の位置に立てられた紀州徳川家江戸中屋敷の中心でした。明治維新後の皇居炎上から明治憲法発布された16年間近代日本の基礎が固まる時代を仮皇居として使われた建物を移築したものです。その後の大正期の大増築、昭和19年の今上天皇が疎開で滞在し、田母沢御用邸は江戸後期から昭和の激動期までを生き続けてきました。
建物の様式は移築された3階主屋の部分が【数奇屋風書院造り】、1階から3階まで書院から【数奇屋風】に変化しています。明治期に立てられた在来家は【京風住宅】。大正の大増築は京都御所の御常御殿の意匠を取り入れた【宮延風】です。また洋式生活を早くから取り入れた絨毯やシャンデリアなどが随所に見られ、当時の和洋折衷の世界を見ることができます。
   

   
 栃木県は御用邸に刻れた技と伝統を後世に伝えるため、各時代の建築技術を綿密に調査し、それを受け継ぐ今日の匠たちの手で忠実な復元を行いました。
   
 日光田母沢御用邸は明治32年に造営されて、昭和22年に廃止されるまでの間、三代にわたる天皇、皇太子がご利用になりました。移築部分の江戸、明治、大正
 三つの時代の建築からなり、各時代における最高峰の技術と、和風建築を代表するいくつかの様式が見られることから、建築学的に極めて重要な資料であります。
   
 白木の代表檜の欄間に漆黒の漆塗りが非常に美しい  食堂の床は寄木、精巧な手漉きの大正硝子から中庭   天井も柱も水洗いで再生させた
   
 伝統的な仕口と継手の技法          銅製の鬼瓦                            壁の下地を再生しているところ
   
 木ずりに11層もの和紙を袋張りなどの技法で重ね貼りしている(左)  
 木ずりに漆喰塗り(明治時代)右は江戸中屋敷から移築した部分(中央)
 大正時代の改修時の木ずり(左)、明治時代の一番古い部分の木ずり(右)

   
 廊下で見る居室の金製照明スイッチ             白木が美しい南側渡り廊下              天皇陛下の執務室側の渡り廊下は真紅の絨毯
   
 陛下執務室、やはり絨毯敷きである             学習室の壁は装飾和紙貼り、天井は格天井       床の間と釘隠しが独特である
   
 手洗いは砂利土間のを伝い高床下に排水          いかにも名工といえる便座、畳敷きである    こちらは湯殿 皇室には浴槽に漬かる習慣はない
   
 仕えの高官の部屋                     床の間の金飾に漆塗りの違い棚、筆返しが非常に綺麗   高官の部屋からの景観(鳴蟲山側)
   
 主屋からの連続した銅葺き屋根の眺望は素晴らしい     中庭                       最も古い建築部分 とても江戸末期のものとは思えない
   
 鳴蟲山の借景が大変風光明媚な西側庭     移築された3階建主屋は江戸末期に現在の赤坂迎賓館に立られた紀州徳川家江戸中屋敷の中心であった。 
 
 日光田母沢御用邸:休館日は基本的に火曜日。行事で休館日もある。朝9時から開館していますが夕方は4時で受付終了なので気をつけてお出かけください。                    

         参加及び取材:日本民家再生リサイクル協会正会員 潟Aップル・リフォームアップル自治医大店  大竹清彦 
【茅葺屋根の古民家】
八郷町には60余棟の『茅葺の里』があります。毎年年末に、八郷町の地元の【茅葺屋根保存会】の方々と、とわたしたち【民家再生リサイクル協会】茅刈り隊】、筑波大学生らのボランティアを含むメンバー(200名近く)は【つくば学園都市】にある高分子研究センターでヨシ刈りを行なっています。八郷の茅葺屋根の葺替えに使うための【ヨシ刈り】です。
そして、毎年この4月初旬に、民家再生リサイクル協会では、八郷町、地元【茅葺屋根保存会】の方々と、茅葺古民家で交流会を行い、早春の一日を美しい里山と日本の原風景が残る茅葺集落で過ごしております。
戦後のヨーロッパでも、日本と同じように茅葺屋根は激減しましたが、現在は高級住宅地などのステータスシンボルとして使われ人気が高いそうです。・・・
さて、日本の茅葺について。かつての日本の茅葺文化は農村生活と深く結びつき社会活動とのかかわりが欠かせませんでした。筑波一帯は、江戸城の鬼門を守る門前町として栄え、特に筑波山麓では江戸末期からは専門職として【茅葺職人】が成り立ち、地方ごとに特異な形の技術が発達しながら、地域社会と強い関わりを持ってきました。村人は【ユイ・結】を組織し、茅葺を手伝い、古くなった屋根の改修で出た【古茅】は大切にリサイクルしていました。また、重要な肥料として農地に還元され、その【マテリアル】自体も自己完結型で地域循環していました。
筑波の茅葺屋根の【軒】の特徴は、軒が5〜7段も葺いた重厚なものが多く、屋根棟は【屋根グシ】と呼ばれ、カマボコ型の丸グシが特徴です。
【ふるさと】というところは、我慢や不自由の多いところですが、その中で人は一生懸命に美的な誇りを探し美しく幸福に生きようとしています。その力こそ今の時代に必要だと【八郷】は、私達に教えようとしています。こうした集落での【町守り】は【町興し】に名を借りた開発行為とは異質のものでしょう。
【町守り】とは文化をその地で、地道に頑なに守り続けること。そこでは、簡単には壊さず大切に長く使う知恵が凝縮されています。作っては壊す、日本の現状の見直しは急務でしょう。
次回は、中国は西安、党家村の取材です。中国の壮大な歴史上11もの時代の首都であった『西安』。日本とも歴史上つながりが深い『長安』を昨年の北京に引き続き取材します。
                 
古民家再生の環境的側面】
日本の産業廃棄物のうち約20%を建設廃棄物が占め、民生部門のエネルギーのうち約45%を住宅が占めると言われる。社会全体の環境負荷の低減を図るには、この住宅建築をいかに環境配慮型に変えていくかが重要な課題です。住宅建材のリサイクル率向上や生活エネルギー使用量減少はどうすれば可能なのか?わたしたちは伝統的な素材、工法に、関わる最先端の知識に触れ、エコロジカルな視点からも民家再生に注力しています。
毎年建っている戸建住宅は約数十万戸で、最新の技術、性能を持ちます。しかし、立て替えればで、産業廃棄物と大量のゴミを発生させます。そして、もうすでに建ってしまっている既存住宅1500万戸はどうすればいいのでしょうか?わたしたちはリモデル、リフォーム(欧米ではリフォームというと歯の矯正の意味も含まれ、一般的にはリモデリング、ホームインプルーブメントと言われています。)を通じて、ゴミ問題も含むエネルギーなどの環境負荷低減をはかってまいります。とりわけ大きな機械装置(製造エネルギーが多大で廃棄時にリサイクルできないものを主に言います)の導入でアクティブな「省エネ」を図る方法よりも、より自然エネルギーをそのままの形で活用するパッシブな「省エネ」デザイン、設計を心がけていこうと考えます。
『ふるさと』というところは、我慢や不自由の多いところですが、その中で人は一生懸命に美的な誇りを探し美しく幸福に生きようとしています。その力こそ今の時代に必要だと『八郷』は、私達に教えようとしています。『町守り』は『町興し』に名を借りた開発行為とは異質のものでしょう。
『町守り』とは文化をその地で、地道に頑なに守り続けること。そこでは、簡単には壊さず大切に長く使う知恵が凝縮されています。作っては壊す、日本の現状の見直しは急務でしょう。
                           
                             NPO日本民家再生リサイクル協会正会員(株)アップル 大竹清彦

          ―栃木・藤岡町/青木邸・古民家解体(2007年) ⇒小山市/塩田邸・古材梁を再活用したリモデルへ(2008年)―
静かな農村地帯に昔懐かしい風情を残す「青木邸」は江戸時代には、この土地で栄えていた大規模な農家。現在、旧道沿いに立つこの家の母屋は約100年前のもの。昔は街道の両脇に茅葺屋根の家々が立ち並ぶ日本の原風景を残す土地でもあった。最近はテレビの番組でも多く登場するようになった古民家とはいえ、子供の頃には「暗くて寒くて怖い」場所と思い育ったそうです。お母さんとの2世帯住宅を建てる決意をされたものの、祖先が使い残してくれたこの母屋をただ解体することに寂しさを感じていらした青木さんご夫婦。「まだ、使えるものなら是非、再生に活用て使い続けて下さい」と。まさに「200年住宅」の真髄ではないでしょうか?昔から、捨てずに大切に使い続けてきた構造材。本来、日本では当たり前に行われてきた建築文化です。もちろん、何もせず、200年耐用できるものなど何処にもありません。定期的に修理修繕し、次代を越え愛着を持ちながらメンテナンスし熟成されてきたのです。大切に使い住み続ける社会の実現。これこそがわたしたちの目指す「200年住宅」の意味するところではないでしょうか?青木さん、わたしたちアップルで古材として立派にリモデリングで大切に活用させていただきます。
                          Before(青木邸
     

   
 当時の貫工法(在来工法の原型)や竹小舞の土壁。地場の欅と松の曲がり梁が素晴らしい。
  
                  After(再生リモデル完成しました
塩田邸
     
 
増改築前(外観)              (和室)                    (廊下)         改装中古材をクレーンで搬入
        
 
          改装中:青木さんの地松の古材梁を2本活用、ドイツ・リボス自然素材塗料で綺麗に蘇る。 
  改築後(廊下)杉の古材柱を廊下でも活用、手洗いをしつらえ、トイレも増設。内装はスイス本漆喰左官&ドイツ・ウッドチップクロス張り
 
    
  改築後(寝室)
   
  改築後(和室:1) 内装:ドイツ・ウッドチップクロス                (和室:2)内装:愛知・桃山土壁(弁柄壁)  
    

 
              その他の古材活用リモデリング例  Before⇒After
                          
                        よくある普通の和室      「古材の柱」で作った「自在ガキ」をぶら下げ、囲炉裏風の設えに。
                                           「古材梁」を4本使っています。

古民家を見て、その素晴らしさに感動する人は多い。その佇まいはわたしたちの五感に訴えるものは非常に多いが、本当の素晴らしさと意味するところは、自然のシステムが無駄なく利用されている先人たちの知恵に気づく点です。民家に蓄積された仕掛け、例えば風を防ぐ工夫、逆に風を導く工夫、高湿から室内を守る工夫、暗さを補う天窓の工夫といった仕掛けは、わたしたちのスローライフな暮らし方を見直すことを教えてくれます。これは過去への回帰を意味するのでなく、未来の住宅のために、伝統技術を見直し、継承し、新しい知恵を加えるということにつながって行きます。 民家の様々な歴史、文化的な背景を知ることは、ものの真の価値を知ることも出来ます。 裏付けのある知識を持つことで「先人たちの知恵」のルーツを知ることが出来ます。 例えば、家族団らんの食事は囲炉裏を囲んで・・・と思われていますが実は、『囲炉裏』は養蚕のための暖房であり、生活に余裕はなく、封建的なスタイルで食事は各自お膳で取っていた・・・。 しかし、現在はそのような封建的な風習はありませんから、『囲炉裏』は家族で仲良くみんで囲めばいい。 このように、民家を知ることは、わたしたちの先人たちの、地域にあった住まい方を正しく知り、その知恵を活用し、さらに長い年月をかけ熟成させていくものではないでしょうか。
                    「エコの先端をいく文化を取り戻す」ビンテージリフォーム
江戸時代から、木材を再利用するのは当り前の時代でした。これがいつしか捨てる文化に変わってしまった。究極のエコロジーは、そのままの形で出来るだけ長く使うこと。ビンテージリフォームは、そんな私達の考えが詰まったコンセプト・リフォームです!リフォームアップルで強力に推進中!
古材を多用するビンテージリフォームは、高い志と古来の伝統工法の豊富な見識を習得した古材施工技術士に是非一度ご相談下さい。

 ===大切なものを壊さず、使い継ぎ再生させる。福島県会津から古材を入荷しました。===

                      【古材でリモデルしませんか?】 
ビンテージ・リフォームは、そのままの形を出来るだけ長く使い、捨てない文化を取り戻し、究極のエコロジカルの先端をいくコンセプト・リフォーム

      
本格的に古民家をほどき、移築するのではなく、もっとライトな感覚で古材を生活の中で活用してみましょう。 たとえば、和室に『囲炉裏』 や庭に『茶室』・古民家風のわたしの 『アトリエ」』などはいかがでしょう。二階の『使わなくなった部屋』を古民家風に設えてもいいでしょう。厳格なエコロジストではなく、もっと気楽にライトに生活を楽しむチルチン人やロハスな人々。…そんなライフスタイルの方々が急増しています。
潟Aップルではそんなロハスな方々を応援中です。
    リフォームアップル自治医大店 大竹清彦

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