【期日】2009年6月17日(水) |
明治・大正・昭和・平成の小山の街の移ろいを見守った旧家改修公開されました。
●小川家は小山市乙女の思川河岸の肥料問屋として明治時代に栄えた旧家です。その後、水運から鉄道の時代に合わせるかたちで、現在の日光街道国道4号沿いに移転したのが大正初期です。主屋の保存状態は良く伝統的和風住宅でありながら小屋組みは洋風意匠です。中央に表門、北に土蔵、正面に主屋、南東に2棟の倉庫、南に店舗を構えた【小川商店・屋号:車屋】が大正元年に開店しました。現在はお店の部分が壊されていますが、表門以外は棟札や墨書が残されており、建築の年代が分かります。
国道4号線、間々田駅入口(JR宇都宮線)を通り過ぎた右側に瀟洒な佇まいが見えてきます。美術館が併設、思川の河岸の歴史を知れます
文化財保護法に基づき文部科学省が認定した建物。重要文化財登録とは違い、外観を大きく変えなければ、内部は自由に改装可能です
パンフレットの立面図をコピーしたもの。雰囲気だけでも・・・
中庭側からの外観
杉板の外壁は弁柄入りの古色、転着剤に柿渋を使っている。主家と土蔵の間から、木漏れ日が差し込む
土蔵の防火扉、木と鉄と土でできている 良材で作られた軒裏と屋根棟瓦は建築当時のまま。
室内撮影は禁止、御免なさい・・・ここだけです!和洋折衷のこの部屋の天井照明の吊り元には鏝絵が! 南側の長い外塀に漆喰の白さが際立っていた
白い漆喰壁をJR線路方向に進むと、古い建物に昔懐かしい【日清カップヌードル】の自販機が!お湯出るの?
●この旧小川家住宅(小山市)は、江戸から明治末期に、利根川ー江戸との交流で欠かすことの出来ない重要な水運として栄えていました。かつて小川家は【車屋】という屋号の肥料問屋でした。昔は【油屋さん】の近くに必ずあった【肥料屋さん】。 昔の油は菜種、桐油、亜麻仁油など植物性でしたし、石油はまだまだ使われていない時代。
油は食用よりも火。つまり電気も石油資源もない時代の照明代わりでした。そういうわけで油は大変な貴重品で、菜種などの絞り粕が【肥料】という関係で農ー商ー工が成り立っていました。それは、その地方地方の気候風土と密接にに絡む【小さなサイクルの地域循環】として成り立つ社会構造でした。
水運が下火となった大正期以降、陸と鉄道運輸に変わるとと同時に、小川家も思川河岸から旧日光街道沿い(旧国道4号線)に移築再生しました。この小川家の移築ではかなりの良質材が壊され、廃棄せずそのままの形で新しい建物を支える構造材として再び息を吹き込まれ、長く使い続けられてきました。捨てずに使い継ぐ・・・作っては壊す、スクラップ&ビルドというフロー経済活動は戦後のこのわずかな期間の出来事であり、逆に昔の日本人には地域で資源が循環する文化を持っていました。江戸時代の日本が、ほぼ完全な自己完結型の地域循環を通じた【エコロジー】で無駄のない社会であったように、わたしたちも21世紀では、物は長く大切に使い続ぎ、【足るを知る】エコロジーな社会を、今一度見直す時期に来ているのではないでしょうか。セブンイレブンで日常日々発生している弁当破棄問題もその一端です。今こそ浪費社会で成り立つフロー経済社会から、ストック型社会に転換して、豊かで資産が蓄積される社会を目指していきたいものです。
取材:日本民家再生リサイクル協会正会員 潟Aップル・リフォームアップル自治医大店 大竹清彦
【茅葺屋根の古民家】
八郷町には60余棟の『茅葺の里』があります。毎年年末に、八郷町の地元の【茅葺屋根保存会】の方々と、とわたしたち【民家再生リサイクル協会】茅刈り隊】、筑波大学生らのボランティアを含むメンバー(200名近く)は【つくば学園都市】にある高分子研究センターでヨシ刈りを行なっています。八郷の茅葺屋根の葺替えに使うための【ヨシ刈り】です。
そして、毎年この4月初旬に、民家再生リサイクル協会では、八郷町、地元【茅葺屋根保存会】の方々と、茅葺古民家で交流会を行い、早春の一日を美しい里山と日本の原風景が残る茅葺集落で過ごしております。
戦後のヨーロッパでも、日本と同じように茅葺屋根は激減しましたが、現在は高級住宅地などのステータスシンボルとして使われ人気が高いそうです。・・・
さて、日本の茅葺について。かつての日本の茅葺文化は農村生活と深く結びつき社会活動とのかかわりが欠かせませんでした。筑波一帯は、江戸城の鬼門を守る門前町として栄え、特に筑波山麓では江戸末期からは専門職として【茅葺職人】が成り立ち、地方ごとに特異な形の技術が発達しながら、地域社会と強い関わりを持ってきました。村人は【ユイ・結】を組織し、茅葺を手伝い、古くなった屋根の改修で出た【古茅】は大切にリサイクルしていました。また、重要な肥料として農地に還元され、その【マテリアル】自体も自己完結型で地域循環していました。
筑波の茅葺屋根の【軒】の特徴は、軒が5〜7段も葺いた重厚なものが多く、屋根棟は【屋根グシ】と呼ばれ、カマボコ型の丸グシが特徴です。
【ふるさと】というところは、我慢や不自由の多いところですが、その中で人は一生懸命に美的な誇りを探し美しく幸福に生きようとしています。その力こそ今の時代に必要だと【八郷】は、私達に教えようとしています。こうした集落での【町守り】は【町興し】に名を借りた開発行為とは異質のものでしょう。
【町守り】とは文化をその地で、地道に頑なに守り続けること。そこでは、簡単には壊さず大切に長く使う知恵が凝縮されています。作っては壊す、日本の現状の見直しは急務でしょう。
次回は、中国は西安、党家村の取材です。中国の壮大な歴史上11もの時代の首都であった『西安』。日本とも歴史上つながりが深い『長安』を昨年の北京に引き続き取材します。
【古民家再生の環境的側面】
日本の産業廃棄物のうち約20%を建設廃棄物が占め、民生部門のエネルギーのうち約45%を住宅が占めると言われる。社会全体の環境負荷の低減を図るには、この住宅建築をいかに環境配慮型に変えていくかが重要な課題です。住宅建材のリサイクル率向上や生活エネルギー使用量減少はどうすれば可能なのか?わたしたちは伝統的な素材、工法に、関わる最先端の知識に触れ、エコロジカルな視点からも民家再生に注力しています。
毎年建っている戸建住宅は約数十万戸で、最新の技術、性能を持ちます。しかし、立て替えればで、産業廃棄物と大量のゴミを発生させます。そして、もうすでに建ってしまっている既存住宅1500万戸はどうすればいいのでしょうか?わたしたちはリモデル、リフォーム(欧米ではリフォームというと歯の矯正の意味も含まれ、一般的にはリモデリング、ホームインプルーブメントと言われています。)を通じて、ゴミ問題も含むエネルギーなどの環境負荷低減をはかってまいります。とりわけ大きな機械装置(製造エネルギーが多大で廃棄時にリサイクルできないものを主に言います)の導入でアクティブな「省エネ」を図る方法よりも、より自然エネルギーをそのままの形で活用するパッシブな「省エネ」デザイン、設計を心がけていこうと考えます。
『ふるさと』というところは、我慢や不自由の多いところですが、その中で人は一生懸命に美的な誇りを探し美しく幸福に生きようとしています。その力こそ今の時代に必要だと『八郷』は、私達に教えようとしています。『町守り』は『町興し』に名を借りた開発行為とは異質のものでしょう。
『町守り』とは文化をその地で、地道に頑なに守り続けること。そこでは、簡単には壊さず大切に長く使う知恵が凝縮されています。作っては壊す、日本の現状の見直しは急務でしょう。
NPO日本民家再生リサイクル協会正会員(株)アップル 大竹清彦
―栃木・藤岡町/青木邸・古民家解体(2007年) ⇒小山市/塩田邸・古材梁を再活用したリモデルへ(2008年)―
静かな農村地帯に昔懐かしい風情を残す「青木邸」は江戸時代には、この土地で栄えていた大規模な農家。現在、旧道沿いに立つこの家の母屋は約100年前のもの。昔は街道の両脇に茅葺屋根の家々が立ち並ぶ日本の原風景を残す土地でもあった。最近はテレビの番組でも多く登場するようになった古民家とはいえ、子供の頃には「暗くて寒くて怖い」場所と思い育ったそうです。お母さんとの2世帯住宅を建てる決意をされたものの、祖先が使い残してくれたこの母屋をただ解体することに寂しさを感じていらした青木さんご夫婦。「まだ、使えるものなら是非、再生に活用て使い続けて下さい」と。まさに「200年住宅」の真髄ではないでしょうか?昔から、捨てずに大切に使い続けてきた構造材。本来、日本では当たり前に行われてきた建築文化です。もちろん、何もせず、200年耐用できるものなど何処にもありません。定期的に修理修繕し、次代を越え愛着を持ちながらメンテナンスし熟成されてきたのです。大切に使い住み続ける社会の実現。これこそがわたしたちの目指す「200年住宅」の意味するところではないでしょうか?青木さん、わたしたちアップルで古材として立派にリモデリングで大切に活用させていただきます。
Before(青木邸)
当時の貫工法(在来工法の原型)や竹小舞の土壁。地場の欅と松の曲がり梁が素晴らしい。
After(再生リモデル完成しました・塩田邸)
増改築前(外観) (和室) (廊下) 改装中:古材をクレーンで搬入
改装中:青木さんの地松の古材梁を2本活用、ドイツ・リボス自然素材塗料で綺麗に蘇る。
改築後(廊下)杉の古材柱を廊下でも活用、手洗いをしつらえ、トイレも増設。内装はスイス本漆喰左官&ドイツ・ウッドチップクロス張り
改築後(寝室)
改築後(和室:1) 内装:ドイツ・ウッドチップクロス (和室:2)内装:愛知・桃山土壁(弁柄壁)
その他の古材活用リモデリング例 Before⇒After
よくある普通の和室 「古材の柱」で作った「自在ガキ」をぶら下げ、囲炉裏風の設えに。
「古材梁」を4本使っています。
古民家を見て、その素晴らしさに感動する人は多い。その佇まいはわたしたちの五感に訴えるものは非常に多いが、本当の素晴らしさと意味するところは、自然のシステムが無駄なく利用されている先人たちの知恵に気づく点です。民家に蓄積された仕掛け、例えば風を防ぐ工夫、逆に風を導く工夫、高湿から室内を守る工夫、暗さを補う天窓の工夫といった仕掛けは、わたしたちのスローライフな暮らし方を見直すことを教えてくれます。これは過去への回帰を意味するのでなく、未来の住宅のために、伝統技術を見直し、継承し、新しい知恵を加えるということにつながって行きます。 民家の様々な歴史、文化的な背景を知ることは、ものの真の価値を知ることも出来ます。 裏付けのある知識を持つことで「先人たちの知恵」のルーツを知ることが出来ます。 例えば、家族団らんの食事は囲炉裏を囲んで・・・と思われていますが実は、『囲炉裏』は養蚕のための暖房であり、生活に余裕はなく、封建的なスタイルで食事は各自お膳で取っていた・・・。 しかし、現在はそのような封建的な風習はありませんから、『囲炉裏』は家族で仲良くみんで囲めばいい。 このように、民家を知ることは、わたしたちの先人たちの、地域にあった住まい方を正しく知り、その知恵を活用し、さらに長い年月をかけ熟成させていくものではないでしょうか。
「エコの先端をいく文化を取り戻す」ビンテージリフォーム
江戸時代から、木材を再利用するのは当り前の時代でした。これがいつしか捨てる文化に変わってしまった。究極のエコロジーは、そのままの形で出来るだけ長く使うこと。ビンテージリフォームは、そんな私達の考えが詰まったコンセプト・リフォームです!リフォームアップルで強力に推進中!
古材を多用するビンテージリフォームは、高い志と古来の伝統工法の豊富な見識を習得した古材施工技術士に是非一度ご相談下さい。
===大切なものを壊さず、使い継ぎ再生させる。福島県会津から古材を入荷しました。=== |
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