京都/【清水寺の重要文化財】の建造物解体修理(第2回)

【日時】平成22年・1月30日(土)
日本民家再生協会の登録時業者で若き担い手の会(JMRA U-50)は、伝統建築にかかわる仕事をするうえで習得すべき伝統建築の知識向上のための【日本建築研鑽会】を開催いたしました。 日本各地の伝統建築、作法に学ぶ今回の講習会は、京都・清水寺の【重要文化財建造物の解体修理】の視察研修となりました。日本民家協会の正会員でもあるわたしは、【馬駐・うまとどめ】、【北総門・きたそうもん】、【子安塔・こやすとう】の3箇所の改修現場を視察いたしました。まだ寒気厳しい京都清水寺より、今回と次回の2回にわけその視察をレポートいたします。わたしたちJMRA日本民家再生協会のメンバー20余名は寒中の京都・清水寺の仁王門の前に集合いたしました。まず京都府教育庁指導部・文化財保護課建造物担当の専門幹技士である白石悦二氏から【清水寺の改修】に関する説明からスタートしました。現在わたしたちが目にする【清水寺】は寛永の大火災の後の寛永8~10年に建立されたものです。平成20年10月から今後10年間の平成30年の間に、本堂を含む9棟を改修する予定です。改修費用の総予算は10年間で40億円。毎年4億円の予算でありますが、うち国からの補助金が55%、京都府からは微小であるその他はすべて清水寺自体でまかなわれます。檀家のない清水寺の収入は一日平均7000~8000名からの参拝料がメインとなります。その収入のうち人件費などの総経費の中から改修費用は割り当てられています。決して潤沢とはいえない財政事情の中で、未来永劫に重要文化財の保存活動は続けられていくことの大変さを知る機会でもありました。誰もが知る【清水の舞台】の床は10センチの板厚であるが25~30年に一度、参拝客を入れながら張り替えられます。【清水の舞台】の床板を支えている柱は下の崖に立っていますが寛永の時代から【根継ぎ】などの改修は一切行っていないので痛みは相当の模様です。しかも基石の谷側は下のほうまで見えている危険な状況でもあるようです。本堂の【杮葺きの屋根】は昭和20年の工事以来の改修が今後10年間のうちに予定されていますが、杮葺きの材料集積も最近始まっているそうです。昭和の屋根改修では丸太を組んで作業されましたが、現在でも【清水の舞台】のある本堂には重機が搬入できず、ここでも施工の困難さが予想されています。
                                      
                                 参加及び取材:JMRA日本民家再生協会正会員 ㈱アップル 大竹喜世彦
【北総門・きたそうもん】

 
解体はやはり伝統的な丸太組みの仮設で行われている。
【北総門】は柱が2本の異木を張り合わせ貫で継いでいますが、合わせ目は鉄板で隠されていて【誤魔化し】の技法で前回の昭和の改修は行われている。
【北総門】の立場は、支門としての扱いでお金をかけず用材にこだわらなかった痕跡といえる

 
野地板に残る釘あとは昭和の改修のときのもの【野地板】はヒノキでなく【トガ】。 南側(清水寺正面側になります)の屋根、一部に金物を使用し【アリ継ぎ】で
引っ張っていましたが現在の屋根の【垂木の曲がり】は【カスガイ】の引っ張り力で継いでいる。 このカスガイ自体も特注であり見える部分の釘は【角釘】を特注している。
 
屋根の仕上げは【土瓦】で、この場所が清水の舞台の左奥にあり強い風が通り抜ける場所であるため【風対策】を兼ねた重たい屋根材を採用している。
破風の間に落書き。 楓の印は此処だけにあるが、その意図は判らず大工のいたずら書きと考えられている。

柱を支える【礎石】は、今回はそのままで掘り起こしてはいませんが墓石をカットしたものを活用している。
このような行為は仏の道に反するように思われがちであるが、古い寺の慣習では【墓石を活用する】ことは日常的といえる。

【朝倉堂
清水寺は寛永の大火災の後に建設されたものがほとんど。その意味では現在わたしたちが見ることが出来てまことにラッキーといえる。
歴代繰り返す重要文化財の改修工事は、国にとって必要不可欠なものです。今回の重要文化財の改修3箇所を含め9箇所を10年掛けて20億円
(毎年2億円X10年間=20億円の改修費用がかかる)を費やす。 3月からは本堂の左隣にあるこの【朝倉堂】↓の改修が始まる。
 

【清水の舞台
誰もが知る【清水の舞台】の床は10センチの板厚であるが25~30年に一度、参拝客を入れながら張り替えられます。【清水の舞台】の床板を支えている柱は下の崖に立っていますが 寛永の時代から【根継ぎ】などの改修は一切行っていないので痛みは相当の模様です。しかも基石の谷側は下のほうまで見えている危険な状況でもあるようです。
本堂の【杮葺きの屋根】は昭和20年の工事以来の改修が今後10年間のうちに予定されていますが、杮葺きの材料集積も最近始まっているそうです。昭和の屋根改修では丸太を組ん で作業されましたが、現在でも【清水の舞台】のある本堂には重機が搬入できず、ここでも施工の困難さが予想されています。
 
舞台の柱を支える基石の足元の土砂が長年にわたり侵食されて一部の石の【根入れ深さ】が不足気味という  参拝客が絶えない舞台の足元は危険? 

次回は3つ目の改修現場。この
【清水の舞台】からちょっと離れた西斜面に見える【子安塔】の解体改修工事をレポートいたします。

                         参加及び取材:JMRA日本民家再生協会正会員 ㈱アップル 大竹喜世彦

        【エコロジーの先端、文化を取り戻す・ビンテージリフォーム】

【古材を活用した弊社アップルのリモデリング例】
  ―福島・田島町/I邸・古民家解体(2004年) ⇒下野市/T邸・古材梁を再活用したリモデルへ(2009年)
       

    

    

   

  

  

【古材を活用したリモデリング例】

   ―栃木・藤岡町/A邸・古民家解体(2007年) ⇒小山市/S邸・古材梁を再活用したリモデルへ(2008年)
静かな農村地帯に昔懐かしい風情を残す「青木邸」は江戸時代には、この土地で栄えていた大規模な農家。現在、旧道沿いに立つこの家の母屋は約100年前のもの。昔は街道の両脇に茅葺屋根の家々が立ち並ぶ日本の原風景を残す土地でもあった。最近はテレビの番組でも多く登場するようになった古民家とはいえ、子供の頃には「暗くて寒くて怖い」場所と思い育ったそうです。お母さんとの2世帯住宅を建てる決意をされたものの、祖先が使い残してくれたこの母屋をただ解体することに寂しさを感じていらした青木さんご夫婦。「まだ、使えるものなら是非、再生に活用て使い続けて下さい」と。まさに「200年住宅」の真髄ではないでしょうか?昔から、捨てずに大切に使い続けてきた構造材。本来、日本では当たり前に行われてきた建築文化です。もちろん、何もせず、200年耐用できるものなど何処にもありません。定期的に修理修繕し、次代を越え愛着を持ちながらメンテナンスし熟成されてきたのです。大切に使い住み続ける社会の実現。これこそがわたしたちの目指す「200年住宅」の意味するところではないでしょうか?青木さん、わたしたちアップルで古材として立派にリモデリングで大切に活用させていただきます。
                          Before(青木邸
     

   
 当時の貫工法(在来工法の原型)や竹小舞の土壁。地場の欅と松の曲がり梁が素晴らしい。
  
                  After(再生リモデル完成しました

     
 
増改築前(外観)              (和室)                    (廊下)         改装中古材をクレーンで搬入
        
 
          改装中:青木さんの地松の古材梁を2本活用、ドイツ・リボス自然素材塗料で綺麗に蘇る。 
  改築後(廊下)杉の古材柱を廊下でも活用、手洗いをしつらえ、トイレも増設。内装はスイス本漆喰左官&ドイツ・ウッドチップクロス張り
 
    
  改築後(寝室)
   
  改築後(和室:1) 内装:ドイツ・ウッドチップクロス                (和室:2)内装:愛知・桃山土壁(弁柄壁)  
    

【その他、古材を活用したリモデリング例】 Before⇒After
                    
                   よくある普通の和室             「古材の柱」で作った「自在ガキ」をぶら下げ、囲炉裏風の設えに。
                                             「古材梁」を4本使っています。

古民家を見て、その素晴らしさに感動する人は多い。その佇まいはわたしたちの五感に訴えるものは非常に多いが、本当の素晴らしさと意味するところは、自然のシステムが無駄なく利用されている先人たちの知恵に気づく点です。民家に蓄積された仕掛け、例えば風を防ぐ工夫、逆に風を導く工夫、高湿から室内を守る工夫、暗さを補う天窓の工夫といった仕掛けは、わたしたちのスローライフな暮らし方を見直すことを教えてくれます。これは過去への回帰を意味するのでなく、未来の住宅のために、伝統技術を見直し、継承し、新しい知恵を加えるということにつながって行きます。 民家の様々な歴史、文化的な背景を知ることは、ものの真の価値を知ることも出来ます。 裏付けのある知識を持つことで「先人たちの知恵」のルーツを知ることが出来ます。 例えば、家族団らんの食事は囲炉裏を囲んで・・・と思われていますが実は、『囲炉裏』は養蚕のための暖房であり、生活に余裕はなく、封建的なスタイルで食事は各自お膳で取っていた・・・。 しかし、現在はそのような封建的な風習はありませんから、『囲炉裏』は家族で仲良くみんで囲めばいい。 このように、民家を知ることは、わたしたちの先人たちの、地域にあった住まい方を正しく知り、その知恵を活用し、さらに長い年月をかけ熟成させていくものではないでしょうか。
江戸時代から、木材を再利用するのは当り前の時代でした。これがいつしか捨てる文化に変わってしまった。究極のエコロジーは、そのままの形で出来るだけ長く使うこと。ビンテージリフォームは、そんな私達の考えが詰まったコンセプト・リフォームです!リフォームアップルで強力に推進中!
古材を多用するビンテージリフォームは、高い志と古来の伝統工法の豊富な見識を習得した古材施工技術士に是非一度ご相談下さい。
                             日本民家再生リサイクル協会正会員 ㈱アップル・リフォームアップル自治医大店 大竹喜世彦 
   

【茅葺屋根の古民家】
八郷町には60余棟の『茅葺の里』があります。毎年年末に、八郷町の地元の【茅葺屋根保存会】の方々と、とわたしたち【民家再生リサイクル協会】茅刈り隊】、筑波大学生らのボランティアを含むメンバー(200名近く)は【つくば学園都市】にある高分子研究センターでヨシ刈りを行なっています。八郷の茅葺屋根の葺替えに使うための【ヨシ刈り】です。
そして、毎年この4月初旬に、民家再生リサイクル協会では、八郷町、地元【茅葺屋根保存会】の方々と、茅葺古民家で交流会を行い、早春の一日を美しい里山と日本の原風景が残る茅葺集落で過ごしております。
戦後のヨーロッパでも、日本と同じように茅葺屋根は激減しましたが、現在は高級住宅地などのステータスシンボルとして使われ人気が高いそうです。・・・
さて、日本の茅葺について。かつての日本の茅葺文化は農村生活と深く結びつき社会活動とのかかわりが欠かせませんでした。筑波一帯は、江戸城の鬼門を守る門前町として栄え、特に筑波山麓では江戸末期からは専門職として【茅葺職人】が成り立ち、地方ごとに特異な形の技術が発達しながら、地域社会と強い関わりを持ってきました。村人は【ユイ・結】を組織し、茅葺を手伝い、古くなった屋根の改修で出た【古茅】は大切にリサイクルしていました。また、重要な肥料として農地に還元され、その【マテリアル】自体も自己完結型で地域循環していました。
筑波の茅葺屋根の【軒】の特徴は、軒が5~7段も葺いた重厚なものが多く、屋根棟は【屋根グシ】と呼ばれ、カマボコ型の丸グシが特徴です。
【ふるさと】というところは、我慢や不自由の多いところですが、その中で人は一生懸命に美的な誇りを探し美しく幸福に生きようとしています。その力こそ今の時代に必要だと【八郷】は、私達に教えようとしています。こうした集落での【町守り】は【町興し】に名を借りた開発行為とは異質のものでしょう。
【町守り】とは文化をその地で、地道に頑なに守り続けること。そこでは、簡単には壊さず大切に長く使う知恵が凝縮されています。作っては壊す、日本の現状の見直しは急務でしょう。
古民家再生の環境的側面】
日本の産業廃棄物のうち約20%を建設廃棄物が占め、民生部門のエネルギーのうち約45%を住宅が占めると言われる。社会全体の環境負荷の低減を図るには、この住宅建築をいかに環境配慮型に変えていくかが重要な課題です。住宅建材のリサイクル率向上や生活エネルギー使用量減少はどうすれば可能なのか?わたしたちは伝統的な素材、工法に、関わる最先端の知識に触れ、エコロジカルな視点からも民家再生に注力しています。
毎年建っている戸建住宅は約数十万戸で、最新の技術、性能を持ちます。しかし、立て替えればで、産業廃棄物と大量のゴミを発生させます。そして、もうすでに建ってしまっている既存住宅1500万戸はどうすればいいのでしょうか?わたしたちはリモデル、リフォーム(欧米ではリフォームというと歯の矯正の意味も含まれ、一般的にはリモデリング、ホームインプルーブメントと言われています。)を通じて、ゴミ問題も含むエネルギーなどの環境負荷低減をはかってまいります。とりわけ大きな機械装置(製造エネルギーが多大で廃棄時にリサイクルできないものを主に言います)の導入でアクティブな「省エネ」を図る方法よりも、より自然エネルギーをそのままの形で活用するパッシブな「省エネ」デザイン、設計を心がけていこうと考えます。

                             NPO日本民家再生リサイクル協会正会員(株)アップル 大竹喜世彦

 ===大切なものを壊さず、使い継ぎ再生させる。福島県会津から古材を入荷しました。===

                      【古材でリモデルしませんか?】 
ビンテージ・リフォームは、そのままの形を出来るだけ長く使い、捨てない文化を取り戻し、究極のエコロジカルの先端をいくコンセプト・リフォーム

      
本格的に古民家をほどき、移築するのではなく、もっとライトな感覚で古材を生活の中で活用してみましょう。 たとえば、和室に『囲炉裏』 や庭に『茶室』・古民家風のわたしの 『アトリエ」』などはいかがでしょう。二階の『使わなくなった部屋』を古民家風に設えてもいいでしょう。厳格なエコロジストではなく、もっと気楽にライトに生活を楽しむチルチン人やロハスな人々。…そんなライフスタイルの方々が急増しています。
㈱アップルではそんなロハスな方々を応援中です。
    リフォームアップル自治医大店 大竹喜世彦

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