小金井・S様邸/蔵の移築~完成見学会~

【日時】平成17年10月10日(祝)13:30~JMRA主催

松戸市に昭和2年建立された米蔵が小金井に移築され新民家として完成しました。26本の通し柱や長さ8mの棟木を構造に生かした住居であると同時に断熱対策などに最新の技術を融和して再生されました。パッシブソーラーによる全体熱還流、床下・屋根に断熱材として採用した炭化コルク、窓開口の木製アルミ融合サッシ付高断熱ペアガラスです。また、古来からある伝統的な塗料や保存剤に、古色として柿渋・漆の使用などとの新旧融合の見事な新民家の出来栄えです。

     
下屋付のこじんまりとした米蔵が ⇒ 古材と最新の技術が融合した新民家として見事に現在に再生されました。

               
   古民家の構造:仕口と継手 梁などの構造材は昭和2年に組んだ順序と逆順に作業はすすめられました。          
   柱や梁の接合部分を仕口・継手とよび、込み栓など1ケ所1ケ所を手作業でおこない金物類は使用していません。

       
この家は吹抜の高い位置の窓から自然光を取り入れテラコッタタイル張りの下の床下のコンクリートに蓄熱させ床下から屋根に還流させるパッシブソーラーを採用しています。パッシブソーラーは室内空気が乾燥するために室内物干し竿を吹抜にぶら下げています。また、基礎の内側立ち上がりと土間全面に25ミリの炭化コルクを、屋根断熱材として50ミリの炭化コルクを敷き詰めています。床には、30ミリの杉板と15ミリの桧の縁甲板を、壁の仕上げは漆喰クリームを使用しています。サッシは断熱性に優れた旭硝子のアルミと木混合サッシ木窓に防犯Low-eペアガラス。電気配線は全てエコケーブル。耐震壁は壁倍率2.6倍のモイス。給水給湯管は強ポリエチレンのサヤ管ヘッダー式です。

         
建具は古材を活用。吊り下げ式で指一本で動かせる現代式に変更しています。左の大型引戸は杉材であるがこの板目の幅の材はもうなかなか手に入らないものです。
  シンプルなステン製のキッチン台漆塗りのサワラの浴槽
 茶室を彷彿させる2階廊下梁   めずらしい突き上げ屋根                                                      レポート:リフォームアップル 大竹清彦
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