奈良・薬師寺の修復再建/奈良県・奈良市(その2)
-平城遷都1300年を契機に古社寺の修復再建-

【日時】平成24年・7月27日(金)
今年7月下旬に視察の機会を得た奈良・興福寺と薬師寺の大改修。今回はその2回目として、奈良・薬師寺の再建についてレポートいたします。現在、薬師寺・東塔では、平成の大改修が行われています。平成21年7月~大改修は始められ平成30年12月まで実施されます。薬師寺東塔は、かの西岡棟梁による西塔の昭和の改修工事から論争の末、やっと改修工事にこぎつけたものです。保存修理の事業費は26億8千万。総費用のうち国65%、県と市は数%のみで残りは薬師寺自前。建立は奈良時代の天平2年(730年)で奈良の都が710年であるので遷都して間もなくということになります。改修の記録は、1445年の台風で大きな被害を受け、兵火で金堂、講堂、中門、西塔が消失。東塔は火災を免れています。1596年伏見地震で東塔は北東へ2~3尺傾斜したため1644年、郡山藩主本多正勝が修理。1854年大震災で相輪傾斜、1856年露盤・心柱修理、明治31-33年に3層のみ解体修理、昭和25-27年屋根葺き替え、部分修理、昭和39年彩色剥落止め、急きょ、平成17年心柱応急補強工事が行われています。改修現場に向かい、奈良県文化財保存事務所の竹内さんより詳細な説明で中に入りました。改修中の東塔は、一見すると五重塔にみえますが、実は三重塔。小さい屋根は下屋という扱いです。視察は一番下の一層目から塔頂まで工事用のスロープを使い行われました。薬師寺・東塔の構造形式は「三間三重塔婆、毎重裳階付き、本瓦葺」と呼ばれるもの。一見、五重塔に見える容姿は、下屋付のもので実際は三重塔。建築用の仮設はスロープを昇り、塔頂まで到達して、養生シートの間から奈良市内が一望できますが、当時の建築技術のすごさと共に左右両翼にそそり立つ東・西塔の圧倒的な高さは、民衆にとって威容なものとしてうっていたであろうと想像できました。塔頂から下に下がり、NHKでも以前放送され、なぜ巨大地震に見舞われて倒壊しなかったのかという長年の疑問に答えた東塔の最下部の基礎にあたる「露盤」と「心柱」を特別に見せていただいた。露盤の中では風圧、微動な地震による揺れに対して「心柱」がどのような応力、耐力で応えているのか最新の技術により計測されていました。東塔の規模は、初重総柱間、主屋7.09メートル、裳階10.514メートル、総高34.133メートル、相輪高10.341メートル。明治30年に特別保護建造物に指定され、昭和26年に国宝に指定されています。この巨大な東塔の塔頂に輝いていたであろう10メートルを超える「相輪」も修復中ということで、目の前で見ることができました。この青銅の相輪の装飾の意味は多々あります。明治時代に入ると薬師寺・東塔では本格的な修繕工事が行われるようになりました。それは明治30年に国の特別保護建造物に指定されたことが大きく、翌明治31年から33年には3層目の解体修理が行われています。その後は25年から27年に大屋根中心の屋根瓦の葺き替えと東塔の部分的な補修が行われていますが、この3年の間の昭和26年に国宝として登録されました。この国宝となってからの3回目の大修理が今回の工事となります。具体的には昭和39年の彩色剥落止め、平成17年の心柱の応急補強工事であるが、大規模で全体の解体修理のは建立以来今回が初めて。心柱に大きな空洞が発見され、礎石の下がりの直し(明治の部分補修では心柱の根継ぎのみ実施)、軒先の垂下を直し、害虫と経年による老朽化などの見直しを行っています。しかし、薬師寺・東塔の改修を視察し感じたことは、欧米の歴史的建造物が現在まで美しく残っているのは石造や煉瓦造が頑丈で、木造は天災や腐りで残らなかったという勝手な思い込みは捨はすてるべきというとこです。日本の木造建築は、たとえば法隆寺が良質な檜で作られ1600年何もせずに持ったのではなく、この薬師寺同様に大地震、天災と火災を繰り返しながらも、残ってきたのは、修復、大改修があったからに他なりません。日本の木造建築は弱々しく地震と湿気で持たない、現在の「長期優良住宅」だから安心、「100年住宅」といわれているのだからメンテナンスフリーで長く使えると短絡的に妄想してはいけません。長期優良住宅だって長く使い続けるためには「定期的な改修」は欠かせないし、重要文化財のように国が大切に管理したものだけが残り、庶民の住居は30年持てばいいわけではありません。薬師寺が文化財指定になったのは昭和26年であり、平成の大改修ですら国の予算は多くはなく、腐心しています。日本の古い建物こそが「長く大切に使う術」をわたしたちに教えていると感じる視察となりました。  (次回は、翌日の大和郡山市の街歩き、奈良市内の「ならまち」の町家改修などの視察レポート)

                                   取材:JMRA日本民家再生協会正会員  ㈱アップル 大竹 清彦




                   




春日山手前の興福寺・五重塔も見えた



建立以来この心柱が免震として働いたため幾多の大震災でも倒壊を免れたと考えられ研究が進められた。 基壇外装は明治の改修時に一新されているが、主屋
の礎石は不同沈下して、特に隅の沈下は大きい。軸部としての「心柱」は破損が深刻で脚部に高さ約1メートルの根継ぎ石を挿入している。根継ぎ石から上は初重
天井付近まで大きな亀裂が縦に入り、内部は空洞化している。二重目以降の継手も緩んできている。 その他、屋根勾配がゆるく雨漏りの心配がある。

工務所に向かいました

薬師寺・東塔の破損状況は、屋根のこう配が緩く雨漏りが今後も心配ということ以外に、詳細な金具については、長押金具、高欄金具、垂木木口の金具がほとんど
欠失している点が指摘されています。平成の大改修では、総予算26億8000万が予算とされてるが、平成22-23年が準備・調査年度であり、23年は素屋根工事、24-
25年である今年は解体工事。来年の26年は基礎工事、27-28年に木部組立工事、28-29年にかけて屋根葺と壁工事が予定され30年末に完成を予定しています。
しかし、課題も多く、当初形式への復元においては、基壇、建物高さ、初階層柱の内転び、三重の屋根形式のこう配、軒の出、裳階連子窓、飾り金具の復元が容易
でない点。軒の垂下変形、地震強風への補強方法、当初の地盤より上げ釈迦を復元整備可能か、建立年代に関する年輪年代調査など未定の事項も多いそうです。
東塔の視察終了後、解体復元の準備がすすむ薬師寺の工務所を視察できた。全国から集められた御用材からは、何も手を付けていないのに「ヒノキ」の香りがプン
プンしていました。その太さも半端ではない大きさに大変驚きました。


                           取材:JMRA日本民家再生協会正会員  ㈱アップル 大竹 清彦


          【エコロジーの先端、文化を取り戻す・ビンテージリフォーム】
建築基準法で規定されている現在の【在来工法】は柱や桁梁の接合部に金具補強して、面材や筋交いなどの耐力壁で地震等に抵抗します。これに対し古民家などの【伝統的工法】では、柱や桁梁の接合部は木組みのみで金具の補強はありません。代わりに【伝統的工法】では土塗り壁、竹小舞、差し鴨居、貫などが主要な耐力要素となります。【伝統工法】では土台を使わず1階の柱を直接礎石に立てる【石場建て仕様】が用いられることがあります。特に西日本以西では夏場の床下通気やシロアリ対策から【石場建て仕様】が採用された民家が少なくありません。 【限界耐力計算】という方法で確認申請の適合判定が通れば、こうした【伝統木造軸組み住宅】も新築できる。しかし、この申請・審査には大変な手間がかかり、その結果、現在新築の実績は年間数棟にすぎないのが実情です。 わたしたちは、この【伝統的工法】で使わてきた柱や梁といった構造材の再構築としてリユースする道筋をつけ、消えゆく貴重な資源をリモデリングというで使い継いでまいります。 古いという理由だけで何もせずただ壊して捨てたらゴミになるだけ。しかし、リモデリングで再使用したらあと何年再活用できるでしょうか。 ビンテージ・リフォームは【伝統的工法で使われてきた古材】を大切に、そのままの形で出来るだけ長く使い、捨てない文化を取り戻す究極のエコロジカルなコンセプト・リフォームです。

                           【古材を活用した弊社アップルのリモデリング例】

  ―栃木・旧藤岡町/F邸・230年前の土蔵解体(2011年) ⇒下野市/H邸・古材梁を再活用したマンション・リモデルへ(2012年)
 
―マンションのキッチン・リモデリング―
 16年のマンションの全面改修の一部

薄暗く、開放感のない元の対面型キッチンをリ・モデリング
キッチン台は造作中心のオリジナル
床暖房+LDKは明るく開放的なキッチンに家族が集うようになりました

【Before】
 

 

【施工中】

キッチン台を組み、古材も取付け、LD側のカウンターもインストールして周辺を造作
 
仕上げ:弊社インテリアコーディネーターが詳細を現場で指示
 

 
古材に合わせて周りの造作家具なども自然塗料リボス+京都山中油店の鉱物顔料で着色
 
左官:カウンター天板、袖壁
 

 
天板の左官:クリスタルインレイ使用、蜜蝋で撥水加工 
 
袖壁の左官:スイス漆喰、カルクウォール、エイジング加工
 

【After】






























  ―福島・田島町/I邸・古民家解体(2004年) ⇒下野市/T邸・古材梁を再活用したリモデルへ(2009年)

    

    

    

   

  

  

【古材を活用したリモデリング例】

   ―栃木・藤岡町/A邸・古民家解体(2007年) ⇒小山市/S邸・古材梁を再活用したリモデルへ(2008年)
静かな農村地帯に昔懐かしい風情を残す「青木邸」は江戸時代には、この土地で栄えていた大規模な農家。現在、旧道沿いに立つこの家の母屋は約100年前のもの。昔は街道の両脇に茅葺屋根の家々が立ち並ぶ日本の原風景を残す土地でもあった。最近はテレビの番組でも多く登場するようになった古民家とはいえ、子供の頃には「暗くて寒くて怖い」場所と思い育ったそうです。お母さんとの2世帯住宅を建てる決意をされたものの、祖先が使い残してくれたこの母屋をただ解体することに寂しさを感じていらした青木さんご夫婦。「まだ、使えるものなら是非、再生に活用て使い続けて下さい」と。まさに「200年住宅」の真髄ではないでしょうか?昔から、捨てずに大切に使い続けてきた構造材。本来、日本では当たり前に行われてきた建築文化です。もちろん、何もせず、200年耐用できるものなど何処にもありません。定期的に修理修繕し、次代を越え愛着を持ちながらメンテナンスし熟成されてきたのです。大切に使い住み続ける社会の実現。これこそがわたしたちの目指す「200年住宅」の意味するところではないでしょうか?青木さん、わたしたちアップルで古材として立派にリモデリングで大切に活用させていただきます。
                          Before(青木邸
     

   
 当時の貫工法(在来工法の原型)や竹小舞の土壁。地場の欅と松の曲がり梁が素晴らしい。
  
                  After(再生リモデル完成しました

     
 
増改築前(外観)              (和室)                    (廊下)         改装中古材をクレーンで搬入
        
    
       改装中:青木さんの地松の古材梁を2本活用、ドイツ・リボス自然素材塗料で綺麗に蘇る。 
  改築後(廊下)杉の古材柱を廊下でも活用、手洗いをしつらえ、トイレも増設。内装はスイス本漆喰左官&ドイツ・ウッドチップクロス張り
 
    
  改築後(寝室)
   
  改築後(和室:1) 内装:ドイツ・ウッドチップクロス                (和室:2)内装:愛知・桃山土壁(弁柄壁)  
    

【その他、古材を活用したリモデリング例】 Before⇒After
                    
                   よくある普通の和室             「古材の柱」で作った「自在ガキ」をぶら下げ、囲炉裏風の設えに。
                                             「古材梁」を4本使っています。

古民家を見て、その素晴らしさに感動する人は多い。その佇まいはわたしたちの五感に訴えるものは非常に多いが、本当の素晴らしさと意味するところは、自然のシステムが無駄なく利用されている先人たちの知恵に気づく点です。民家に蓄積された仕掛け、例えば風を防ぐ工夫、逆に風を導く工夫、高湿から室内を守る工夫、暗さを補う天窓の工夫といった仕掛けは、わたしたちのスローライフな暮らし方を見直すことを教えてくれます。これは過去への回帰を意味するのでなく、未来の住宅のために、伝統技術を見直し、継承し、新しい知恵を加えるということにつながって行きます。 民家の様々な歴史、文化的な背景を知ることは、ものの真の価値を知ることも出来ます。 裏付けのある知識を持つことで「先人たちの知恵」のルーツを知ることが出来ます。 例えば、家族団らんの食事は囲炉裏を囲んで・・・と思われていますが実は、『囲炉裏』は養蚕のための暖房であり、生活に余裕はなく、封建的なスタイルで食事は各自お膳で取っていた・・・。 しかし、現在はそのような封建的な風習はありませんから、『囲炉裏』は家族で仲良くみんで囲めばいい。 このように、民家を知ることは、わたしたちの先人たちの、地域にあった住まい方を正しく知り、その知恵を活用し、さらに長い年月をかけ熟成させていくものではないでしょうか。
江戸時代から、木材を再利用するのは当り前の時代でした。これがいつしか捨てる文化に変わってしまった。究極のエコロジーは、そのままの形で出来るだけ長く使うこと。ビンテージリフォームは、そんな私達の考えが詰まったコンセプト・リフォームです!リフォームアップルで強力に推進中!
古材を多用するビンテージリフォームは、高い志と古来の伝統工法の豊富な見識を習得した古材施工技術士に是非一度ご相談下さい。
                             日本民家再生リサイクル協会正会員 ㈱アップル・リフォームアップル自治医大店 大竹喜世彦 
 

  


【茅葺屋根の古民家】
八郷町には60余棟の『茅葺の里』があります。毎年年末に、八郷町の地元の【茅葺屋根保存会】の方々と、とわたしたち【民家再生リサイクル協会】茅刈り隊】、筑波大学生らのボランティアを含むメンバー(200名近く)は【つくば学園都市】にある高分子研究センターでヨシ刈りを行なっています。八郷の茅葺屋根の葺替えに使うための【ヨシ刈り】です。
そして、毎年この4月初旬に、民家再生リサイクル協会では、八郷町、地元【茅葺屋根保存会】の方々と、茅葺古民家で交流会を行い、早春の一日を美しい里山と日本の原風景が残る茅葺集落で過ごしております。戦後のヨーロッパでも、日本と同じように茅葺屋根は激減しましたが、現在は高級住宅地などのステータスシンボルとして使われ人気が高いそうです。・・・
さて、日本の茅葺について。かつての日本の茅葺文化は農村生活と深く結びつき社会活動とのかかわりが欠かせませんでした。筑波一帯は、江戸城の鬼門を守る門前町として栄え、特に筑波山麓では江戸末期からは専門職として【茅葺職人】が成り立ち、地方ごとに特異な形の技術が発達しながら、地域社会と強い関わりを持ってきました。村人は【ユイ・結】を組織し、茅葺を手伝い、古くなった屋根の改修で出た【古茅】は大切にリサイクルしまた、重要な肥料として農地にも還元され、その【マテリアル】自体も自己完結型で地域循環していました。
古民家再生の環境的側面】
日本の産業廃棄物のうち約20%を建設廃棄物が占め、民生部門のエネルギーのうち約45%を住宅が占めると言われる。社会全体の環境負荷の低減を図るには、この住宅建築をいかに環境配慮型に変えていくかが重要な課題です。住宅建材のリサイクル率向上や生活エネルギー使用量減少はどうすれば可能なのか?わたしたちは伝統的な素材、工法に、関わる最先端の知識に触れ、エコロジカルな視点からも民家再生に注力しています。
毎年建っている戸建住宅は約数十万戸で、最新の技術、性能を持ちます。しかし、立て替えればで、産業廃棄物と大量のゴミを発生させます。そして、もうすでに建ってしまっている既存住宅1500万戸はどうすればいいのでしょうか?わたしたちはリモデル、リフォーム(欧米ではリフォームというと歯の矯正の意味も含まれ、一般的にはリモデリング、ホームインプルーブメントと言われています。)を通じて、ゴミ問題も含むエネルギーなどの環境負荷低減をはかってまいります。とりわけ大きな機械装置(製造エネルギーが多大で廃棄時にリサイクルできないものを主に言います)の導入でアクティブな「省エネ」を図る方法よりも、より自然エネルギーをそのままの形で活用するパッシブな「省エネ」デザイン、設計を心がけていこうと考えます。
『ふるさと』というところは、我慢や不自由の多いところですが、その中で人は一生懸命に美的な誇りを探し美しく幸福に生きようとしています。その力こそ今の時代に必要だと『八郷』は、私達に教えようとしています。『町守り』は『町興し』に名を借りた開発行為とは異質のものでしょう。
『町守り』とは文化をその地で、地道に頑なに守り続けること。そこでは、簡単には壊さず大切に長く使う知恵が凝縮されています。作っては壊す、日本の現状の見直しは急務でしょう。
                           
                             NPO日本民家再生リサイクル協会正会員(株)アップル 大竹喜世彦

 ===大切なものを壊さず、使い継ぎ再生させる。福島県会津から古材を入荷しました。===

                      【古材でリモデルしませんか?】 
ビンテージ・リフォームは、そのままの形を出来るだけ長く使い、捨てない文化を取り戻し、究極のエコロジカルの先端をいくコンセプト・リフォー


      
本格的に古民家をほどき、移築するのではなく、もっとライトな感覚で古材を生活の中で活用してみましょう。 たとえば、和室に『囲炉裏』 や庭に『茶室』・古民家風のわたしの 『アトリエ」』などはいかがでしょう。二階の『使わなくなった部屋』を古民家風に設えてもいいでしょう。厳格なエコロジストではなく、もっと気楽にライトに生活を楽しむチルチン人やロハスな人々。…そんなライフスタイルの方々が急増しています。
㈱アップルではそんなロハスな方々を応援中です。
    リフォームアップル自治医大店 大竹喜世彦

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