―川端康成の「古都」の舞台となった北山の里、北山杉 ―
若狭湾と京を結ぶ鯖街道、周山街道は小浜〜丹波美山〜高雄〜京都を結ぶ。杉木立に囲まれた周山街道を車で走り、磨き丸太の北山杉の「中川」と美山町の「茅葺の里」を訪ねました。北山杉は応永年間に始まり室町中期の千利休に完成された「茶の湯」の流行と共に茶室の「床柱」として広く使われました。
また朝廷の御用木として、「桂離宮」「修学院離宮」「仙洞御所」の茶室に用いられ800年以上の歴史を持つ京都の伝統産業として茶室、数奇屋建築には欠かせません。
江戸から明治には関西一円に、終戦後は著名な建築家吉田五十八らに多用され絶賛されました。今日では「ほんまもん(本物)」を求める人々に古来からの伝統継承する「北山磨き丸太」は使い続けられています。急峻な北山では山人の創意工夫「台杉方式(差し木)」で磨き丸太を効率よく生産される中川独特のもので樹齢数百年の台杉を今でも見かけます。
京都市内では鑑賞の台杉をよく見かけますが、「シロスギ」という樹種で葉は柔らかく樹皮はしなやかで繊細なイメージがあります。また、実が実りにくく「花粉」の心配がないのもいいですね。山中で見える「北山杉」は、すっと垂直で「パームツリー」の葉を丸く刈ったようで、実に清々しい姿が印象的でした。 北山杉写真集
写真右下(枠内:左):
ホールから踏み込みを使い、直接出入りできる客用和室。茶室の床柱にも多用された北山磨き丸太
床柱は北山磨き丸太。床の間と一文字棚を配した出書院で格式あるつくりに。畳はモダンな市松模様に。
写真左(文中央):小堀遠州の影響を残す桂離宮 桂離宮
―かやぶきの里―
京都北山の周山街道をされに奥へ抜けると美山町に入る。ここは丹波の国に属し、荘園制度の頃から人が住み「山稼ぎ」で生計を立てた集落があった。京都と若狭の中間地で多くの旅人が行き来していたことで、この集落の建築や生活様式は色々な地方の影響を受けています。
集落での茅葺では岐阜白川郷、福島大内宿に次ぐ全国3位。
平成5年集落全体が「重要伝統的建造物群保存地区」に選定され「かやぶきの里保存協会」が組織されてました。珍しいのが歴史的景観の保存と住民の生活を両立するため、住民出資の「有限会社かやぶきの里」を設立したことです。
地域住民が建造物の維持管理と観光施設の運営を行っている点です。現存する茅葺屋根の多くは江戸中期〜末期のもので、昔話に出てくる屋根形状が特徴の「北山型民家」に分類されます。
入母屋作り、狭い土間、棟木の下で部屋を分ける、板壁、板戸が特徴です。50戸の集落のうち38戸が茅葺です。道路沿いの茅葺屋根の食堂と土産物屋も会社のもので他に食品加工所、民宿の運営しながら茅葺民家の保存に取組んでいます。私が出かけたときも一軒の民家の葺替えが行われていました。聞くと皆この集落の中の職人さんたちで20代〜40代の職人さん5〜6人。いわゆる「ユイ=結い」が成立しているのです。集落隣接の由良川の橋を渡ったところが「茅場」です。
「これだけの集落が残ったのはそれぞれの家の経済状態が似て共同体としての強い意識が保たれた、京阪神から近く息子さんたちが茅刈りなどの人手に困らないことがあげられる。」と(有)かやぶきの里の勝山さんは語る。
集落の中心に美山民俗資料館がある。他の家は普通に生活しているので中までは入れないがこの資料館は建物の内部を見学できます。この資料館の囲炉裏端で「ほっこりした時間」を過ごすのもいいかもしれませんよ。
(有)かやぶきの里 京都府南丹波市美山町北 0771-77-0660
―温故知新200年の歴史・京都の山中油店―
お店の前には水車が廻り水を描いている様子が何とも情緒があっていい。この辺は出水と呼ばれ、昔から湧き水が豊富だったそうです。江戸の文政年間に初代山中兵衛氏が店を構えて以来二百年の歴史を守る「山中油店」。
下立売通の建物は創業当時の姿のままを今に伝えている。昔は油屋が京都に四百件あった。電気ガスのない時代に油は欠かせなかった。食用油は明治からで現在は菜種・大豆・ゴマ・とうもろこしが多い。と浅原孝さんは言う。
食用油は、戦後大手精油メーカーが化学溶剤を使い油を抽出しスーパーに安価で並ぶようになりました。生産効率は良くなりましたが、独特の風味色、香りなどをなくしてしまった。ここでは、昔ながらの圧搾法にこだわり、玉石と臼を使う伝統工法で時間をかけ搾っています。
また、西陣はじめ京の町家を保存しようという動きで、化学塗料を使わず荏油、桐油、亜麻仁油、菜種油、柿渋、ベンガラという伝統的自然塗料を使いシックハウスの問題のない家を造る人が増えています。「山中油店」の前の「京・町家文化館」という京町家。平安京以来の歴史と文化を有する最も京都らしい魅力を発見できますよ。
京都市上京区下立売智恵光院西入508 定休日:日・祭 第2・4土曜 075-841-8537 山中油店
消え行く民家や町家、取り壊すことなく末長く活用していきたいものです。街並み、景観そしてミクロでは室内生活環境がとても大切と私たちは考えています。現在のような20〜30年と言う短い住宅寿命をもっと長く使い続け、建物は社会資産の重要な一部であると言う持続可能なストック社会に変えていきましょう。
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