海外リモデル事情
ドイツ編
エコバウコンシェルジェ加藤俊和
アメリカ編
アップルの大竹が「本物のエコロジーの伝達者」と尊敬する加藤氏と共に『ドイツ』を中心とするヨーロッパ最新のエコ建築ツアーのレポートです。自然素材で日本の住宅を『呼吸する健康で上質感のある住宅』に変える、そんな気持ちで最新のドイツ、オーストリア、スイスなど『エコロジー&バウビオロギー建築』の情報や自然素材リフォームを情報発信するコーナーです。
ECO REGION=エコ地域(オーストリア&ドイツ)レポート・2008年10月
エコバウ建築ツアー
を終え、多くの最先端所建築エコロジーを見たり聞いたりし
ましたが、いつもドイツを見て考えるのは「同じ戦後事情を持った国なのに、なぜ
日本はこんなになったんだろう?」ということです。効率化、無駄を省く、グローバ
ル化という言葉の基に付加価値の低い同じような製品ばかり産み出し、結果的
に中国製品と価格競争し更に疲弊する悪循環を続けています。その間ドイツはと
いうと高付加価値のドイツブランドを作り上げ、質の高い社会を作り上げました。
その結果のひとつが住宅です。35年ローンで建てる家は30年しか持たない家
であったり、化学物質だらけの家であったりはまさに「効率化」の基に進められた
結果です。もうそろそろ「住む人」を主役にした付加価値で選ばれる家作りに変え
る時です。そんな家作りをまじめに考えるビルダーと良い家を探している消費者
の
出会いの機会
を作って行きたいと思います。
2008-10-11
最終日です
今朝のミュンヘンは気温8度と高めですが、霧が一面にたちこめまるで映画の一
場面のようです。
一面の紅葉の街路樹の中で、このツアー最後の物件は8年前からパッシブ住宅
を手がける建築家のヨアヒム・ナーゲルさんの数百世帯の集合住宅。ドイツで最
初のパッシブ集合住宅から現在建築中の物件まで3物件を見学しました。
ドイツ初のパッシブハウス集合住宅は綺麗に経年し自然と一体となっています。
現在建築中の物件を見学。屋上のソーラーモジュールと緑化(施工途中です)まで
念入りに見学させていただきました。
ソーラー発電、地下水利用の冷温設備、太陽熱温水装置、3重ガラス、ペレット暖
房などの仕様の住宅はドイツのパッシブ基準を上回りゼロエネルギーハウスまた
はプラスエネルギーハウスです。寒いドイツで冬でも暖房は基本的に不要で、太
陽熱と人の体温だけで温かくすごせます。ドイツでは建築中でも入居してしまうら
しく、屋上などまだソーラー発電パネルがこれから取り付けという状態でしたが、
既に入京しており、その中の日本人の女性が話してくれたのは「少し高い住宅だ
ったけど、やはりこれからのことを考えるとパッシブハウスかな?で購入しました」
っと言っていました。ちなみに地下室つきの90uで約7000万です。
この日、全行程を終え、パリまで出張に向かうホルガー・ケーニッヒ氏と別れを告
げ我々は、ミュンヘン観光へと向かいました。
ギリシャ建築を模した王宮の数々
市内ブティック街をサイクリング車で駆け抜けるカップルも居れば、寿司店にスポ
ーツカーで乗り付ける若者も居る。片やエコカーでパーク&ライドし、公共交通や
自転車通勤する人もいれば、BMWの大排気量の大型車やポルシェで激走する人
もいる。これも環境先進国で教育を受け環境戦士となりつつも、金さえあれば何
でも可能という人間の欲と行動心理であろう。
パッシブ住宅を極めるナーゲルさんが最後に言ったのは「私は断熱やソーラー
発電でパッシブ住宅を建てているのではない、人が心地よく住める家を建ててい
るのだ、そこは忘れない」。こんな理念で設計ずるナーゲルさんの集合住宅は結
果的に自然素材の
漆喰の外壁や
無垢材、
自然塗料
などは当たり前で、「健康に
配慮した建材を使うのは言うまでもなく当たり前だろう」とばかりに外壁まで天然
の白い漆喰で仕上げられていました。
今回12回目のエコバウ建築ツアーでしたが、ドイツのエコ事情も年々相当進ん
でいるコトを実感しました。今やエコといえば省エネ、二酸化炭素削減となってい
ますが、エコで大切なのは誰のためのエコなのか?であって、単なる省エネや自
然素材を使えばエコではなく、人間にとっていつまでも住みやすく、健康な空間で
持続できる家作りをすることが本当のエコなのだと教えてもらいました。来年も13
回目エコバウ建築ツアーやりますのでご期待ください。
最後にこの12回目のエコバウ建築ツアーを成功導いてくださった前橋工科大学
石川先生とホルガーケーニッヒ氏、そして参加者全員にお礼を申し上げます。
2008-10-09
5日目
塩の交易の街ザルツブルグで中世の町並みを堪能し、アウトバーンで左手にア
ルプスを見ながらミュンヘンへ。ミュンヘンはホルガーケーニッヒのホームであり、
石川先生の第二の故郷でもあります。
途中のアウトバーンで見るのは美しい丘陵と漆喰の家そして朝もやです。ウィー
ンもリンツもザルツブルグも美しいですが、それ以上に丘陵地帯とミュンヘンの美
しさは特別です。
こんな風景が続きます。
最初の訪問地はバイオ農場、21世紀の農業をエコで復活させる試みを建築とそ
の徹底的なエコへの取り組みを実感しました。
最後に訪問したのはドイツでも珍しい58社の住宅展示場です。
ドイツの普通のビルダーのエコへの取り組みが興味深いです。パッシブ何って住
宅は結構普通です。
ミュンヘンに到着。BMWの新本社家屋は2007年10月に竣工。世界最新の省エネ
ビルであることはもちろん顧客満足度もNO1である。今も稼動し隣接する工場か
ら本社ビルに直結で日量800台が生産され、予約客に対し食事つき、シュミレー
ション付の安全な試運転を経て、このビルで引き渡されている。
美しいミュンヘンの市内夜景です。
2008-10-08
4日目
今日のリンツの朝は小雨。中世の塩の交易で豊かになったこの町は、小さな町
ながら中世の町並みがそこかしこに生きています。
朝一番に訪問したのは親から引き継いだ農業をBIO農家に変え、そして2006年
BIO専門のスーパーを作った、生産から販売までを一貫して行う食品スーパーで
す。
BIO農家であると同時に、麦わら断熱など革新的な素材のパッシブ建築で従来
の1/10のエネルギーで運営するスーパー、フェアトレードを徹底する哲学に取
り組むという社長。どれだけ人間中心に考えているかは事務所を見れば一目瞭
然です。まるで植物園のような事務所、ここで働く社員は通常の半分以下の風邪
や電磁波による疲労で、快適な仕事環境を証明しています。ちなみに今年の業
績は前年比2倍です。
リンツからザルツブルクに向かう途中の車窓です。
次に訪問したのは出来たばかりのシュタイナースクール。芸術のような校舎はそ
れだけで明らかに人間の尊厳を第一に考えた教育方針がわかります。昼食はそ
んなシュタイナースクールの学食で食べましたが、食材はBIOの更に上を行く
DEMETER認定で、パスタにピザはシンプルだけど素材の味を生かしてGood!!です。
午後2時ごろにザルツブルクに到着。この日、最後に訪問したのは売れ子建築
家がリノベーションを図った築500年ほどの住居ビルです。左側裏にその面影を
残す建物は日本で言えば軽く戦国時代のもの。組積造だから残せたのか?わが
国の作っては壊す文化と正反対の、壊さず長く使うヨーロッパ諸国の息づかいが
伝わる物件です。
2008-10-07
3日目です
朝の小雨がバスで移動する間には快晴に。やっぱり普段の行いです。ガイドの
グリムさんが「天使は善人に微笑む」だったか?ことわざを紹介していましたが、
まさにそんな天気です。
午前中は、医療関係のIT会社の家屋を視察です。ユーロッパ・パッシブハウス基
準以上の省エネで建てられた近代建築です。
続いて、同じくパッシブハウス基準で建てられたスーパーマーケットです。前面壁
面にソーラーパネルを、屋根緑化で省エネを図っています。
これは、築25年の賃貸集合住宅のリモデルです。壁面全体をダンボール断熱+
硝子で覆うという斬新な手法でパッシブハウス基準をクリアーしています。
ツアーも3日目に突入、ウィーンから200km西のリンツに近い、日本人を見る
のはこれがはじめて的な村の学校パッシブ改修物件です。
まず感じたのは、子供たちの健康や教育環境を守るために、ここまで日本の自
治体はやるだろうか?という疑問でした。以前にヨーロッパでは子供たちの健康
や生活環境を守るために、学校は午前10時の段階で気温27度以上であれば休
校、夏休みのサッカー大会などは午後4時以降の温度が下がってきてから、と聞
いたことがあります。夏の高校野球や、夏休みの子供たちの炎天下のサッカー大
会などは論外らしいです。
そんな考え方がベースであればこのパッシブ学校もうなづけます。
ベビーブーマ世代の学校建築ラッシュに立てた粗悪な学校を、先端の技術とより
良い教育環境を考えて改修する。
その結果として改修後の省エネは1/10のエネルギー使用量で自然光を取り入れ
たことによる教室に代表されるように、自然で落ち着いた環境は、結果的に子供
たちの集中力を20分から45分まで改善でき、成績にも大きく影響しているとのコ
ト。まさに狙いは的中したわけです。
ザルツブルク同様、ドナウ川沿いのリンツは塩の産地として栄えました。
2008-10-06
2日目です
今日はウィーン南部から北部へと移動です。遠くのアルプスは昨日の寒波でもう
真っ白です。朝はソーラーで次世代の省エネ住宅を作る「ソーラー4U」
そして「土と木の家」という自然素材にこだわる住宅会社。
自然素材とパッシブソーラーで建てられた幼稚園。
最後は20年前に完成したエコロジー住宅のさきがけを見学。帰りの夕焼けがエコ
ロジーが住宅だけでなく社会そのものそして生き方であることを、少しだけ学んだ
一日です。明日はリンツです。
2008-10-05
エコバウ建築ツアー2008
今朝のウィーン郊外の朝は、気温8度くらい。ちょうど日本の冬です。コートがなく
ては寒いです。今日のメニューはまず、ヨーロッパでも相当進んでいて、政府上げ
て住宅の省エネやエコロジー化を進めている、オーストリア政府関係の「未来の
家プロジェクト」のクラウディアさんがなんと土曜日で休館の自然史博物館のセミ
ナー室を特別に開放してくれて、オーストリアの住宅の環境基準とその取り組み
を聞きます。
マリアーテレージア広場から、17世紀と18世紀のオーストリア繁栄時代の建物
の中のひとつ、自然史博物館は威圧される内装で、これから始まるエコバウツア
ーが如何にまじめな物か伝わってきます。
元棺おけ製造会社のリノベーションで低所得者のための集合住宅を見たあとは、
やっぱりウィーンはフンデルトワッサーです。「直線への挑戦」とあらゆる線と面を
曲線で作ったアパートはまるでファンタジーの世界。クンストハウスは床まで曲面
で椅子がまっすぐ立たないというおまけまで!?でもこれもひとつの「人間中心の
建築」から考えたエコロジー住宅の一面かも知れません。
2008-10-04 到着
フランクフルとで乗り継いで約15時間、ウィーンに到着
雨、気温13度のウィーンです。
前橋工科大学の石川先生、ホルガーケーニッヒも合流し、さて明日はマリアテレ
ジア広場で9時からエコセミナーです。
明日は一年に一回のアートデイで夜中まで美術館があいているそうです。
行けるといいです。
2008-10-03 今日から出発
今日からエコバウツアー開始です
今回は総勢34人、ウィーン、ザルツブルグ、ミュンヘンとアルプスを左手にみてア
ウトバーンを移動していきます。こうご期待です。
ECO REGION=エコ地域(デンマーク &ドイツ)レポート・2007年 9月
2007・レポート:デンマークのエコ建築
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コペンハーゲン
風車の国オランダを経て昨日遅くコペンハゲン到着です。島の中のシティホテルラディソンはデカイデンマーク人をさらに大きく威圧的に見せます。早朝、ホテルの窓からみる街並みは美しいですが、冬です(寒い気温6度くらい)。空港からホテルの途中では、古いレンガの集合住宅の窓から、カーテンの無い家がほとんどで、室内をシンプルだけど、白い壁花や絵などできれいでセンスのよいインテリアが見えました。ドイツの家よりより繊細な感じがする冬のデンマーク視察です。
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今やデザインとエコロジーで世界 から注目さデンマークは九州とほぼ同じ国土で、大学までの教育費と全ての医療費が無料と言う国だ。資源が無いのでソフトを売ることでしか生きる道は無く、その結果 としてデザインが非常に進んだ国である。高福祉で社会は成熟化しており、国民の美意識も高く、日用品、家具、椅子、電化製品などデンマーク製品は機能的なデザイン が世界的に有名なことはこの国の必然なのであろう。もちろん家についてもシンプルで美しい家ばかりで、あたりまえのように無垢の木や漆喰が使われている。デザイン を極めると素材の良さは絶対と言うことだろう。この国を現す言葉として「美術館に行かなくても、家に美しいものがある」があるが、まさに生活が美術館と言ってもい い国だ。
最初に訪れたのは、1970年代コペンハーゲンから新しい形のリノベーションを提案し、今ヨーロッパ中から注目されるバンコンセン設計事務所だ。それまでのコペンハー ゲンで普通であった「大きく高い」集合住宅を、「低く、密集」させることで、家が個人の所有物ではなく、公益性の高い存在であることを訴え、ヨーロッパ中で受け入 れられ、住宅デザインを変えたといわれる。バンコンセン設計事務所2000年に設計した通称「ボートホール」は、元々戦艦を保管するために60年前に建てられた建物を住宅にリノベーションしたものだ。
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67戸 のロフト型アパートは元の建物の重量感のある構造をそのまま使用し、最小限の改修で高級アパートに変えてしまった。寒冷地でありながら壁一杯に広がるガラス窓、運 河に連続し、都心からわずか10分の場所が、自然の環境を暮らしに取り入れた開放感のある集合住宅にリノベーションされた。もちろん白い漆喰や無垢材がふんだんに 使われていることは当然だ。この集合住宅は、なんと言っても「かつての戦争の施設が、今は豊かで平和な暮らしを作る施設」に変わっていることが一番のメッセージで あり、平和な時代に不要なものを、有効に活用していること、そして平和な時代に不要なものをリノベーションして役に立つものに変えていき長く使う、これこそが廃棄 物を減らし、製造エネルギーを減らすエコロジーだ。
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次に訪れたかの有名なルイジアナ美術館は、個人住宅から始まり、ヨルゲンボー設計で大きくなった美術館だが、まるで自宅でアートを鑑賞するような雰囲気で「自然」「芸術」「建築」のバランスが美しく、どこを見てもアートである。ジャコメッティの彫像はまるで住宅の中の置物のように展示され、ここでも「生活の中にアートがある」そんなデンマークを感じることが出来た。
昨日はデンマークからアウトバーンとフェリーでドイツへ上陸、夜遅く着いたのはキールという町。ヨットマンなら知らない人は居ないというくらい有名らしく、運河とヨットの美しい街並みです。泊まるホテルはヨットマンなら誰でもあこがれるだろう4☆のヨットクラブホテルです。趣味のこだわりと上質感で統一されたホテルはそれだけで参加者全員満足です。明日は早朝からキールとリュベックで本格的なエコ建築を見学します。
余談ですが、ツアーガイドから「コペンハーゲンに来て人魚姫を見ない唯一のツアー」とあきれてました。おそるべしエコバウツアーの本気
!!
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今朝のベルリンは朝から小雨で最高気温17度、最低気温7度という、日本の今の季節と違ってまるで冬!!でも、かの有名なブルーノタウトの80年前の集合住宅を見学しようとバスで旧西ドイツから東ドイツへ。待っていたのは沢山のブルーノタウトの本を書いていて、建築家として現在ブルーノタウトの集合住宅を元の色とデザインに復元中の設計事務所のボスでありブルーノタウトのファンで知らない人はいないというブレンネ氏でした。 なんと本人が出てきて解説という、垂涎のスタートでした。どんな建築に対してもデザインと同時に自然素材、エコロジー、省エネを最優先で考える仕事しかしないというブレンネ氏の最新の集合住宅も見学し、如何に自然素材が機能的で耐久性があり、住宅の耐久性や人間の健康、インテリア性をちゃんと考えると自然素材に行き着くことを教えられました。実際にブルーノタウトの修復でも、コストの点で自然素材の使用に反対する政府に対して、ブルーノタウトは化学合成と自然素材の外壁材を実際に施工し、耐久性や汚れを試験し、予算担当者に自然素材の方が圧倒的に汚れにくく、耐久性があることを証明し、標準で使うことを認められました。結果的に内装だけでなく外装も
漆喰と天然顔料
で仕上げられ、つたの汚れたカビの汚れは目に付きませんでした。ブルーノタウトに代表されるように、ベルリンは「モダンとクラッシック」が同居する街で、7年前に来た時よりドンドン新しいモダンな建築が建っていました。東西の壁が壊れてわずか20年足らず、1989年の壁の壊れた当日の話を現場にいた人から聞きましたが、それは感動的な話でした。しかしその裏には多くの犠牲があることも同時に聞きました。それでも前に進むドイツという国のそこ力をお感じた時でした
。
ECO REGION=エコ地域(ミュンヘン&リヒテンシュタイン)レポート・2006年10月
2006・レポート:ドイツのエコ建築
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エコバウ建築ツアースタート
早朝から成田発ドイツフランクフルト行き、ミュンヘン乗り換えで出発です。成田からのメンバーは土の建築で名高い泉先生、塗り壁の巨匠 富沢建材の富沢社長などなどそうそうたるメンバーです。でもみんなちょっと緊張気味。でもこれがツアー終わることにはみんな「帰りたくない」って言葉が出るほど楽しくてためになるツアーになるはずなのです。
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街並みから上質な暮らし
最初の訪問地ここミュンヘンでは街が美しいのはもちろん、色、広告等が制限され、その上緑が多く街が調和しています。ドイツと言えば自動車生産国で車は多いのですが、自転車や歩道の整備もしっかりされています。大量消費のアメリカ文化の象徴であるマクドナルドも、ここドイツに来るとこんなに街に溶け込みます。通勤時間の自転車の多さはひょっとすると中国に次ぐかも?それもみんな結構本気の格好で、ヘルメットにネクタイ姿で通勤している姿が、本当にドイツの人たちの環境意識の高さに感心します。さて、これから本物のエコロジー住宅を見に出かけます。
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エコロジー農家+エコロジー農家
ドイツで有名なソーセージーメーカーの創始者が、経営を引き継ぐ息子達から「社会のためにならない、体に悪いものを作って利益を上げることは我慢できない」と相続を拒否され、それから心を入れ替え有機栽培・無農薬で生産する農産物と畜産品を原料に製造、加工、そしてレストランなどを寒村地区に作ったのがここグロン地区である。数百年前の農家を買い取り、リノベーションされたレストランはかつてのバイエルン地方の豊かな農村を再現し、上質な食材と合わせて観光地としても成功しつつある施設となっている。特に畜産については、有機飼料で育てるだけでなく、出来るだけ野生に近い形での飼育などにこだわり、施設全体はこの会社の理念に共感したエコ建築家のカリスマであるヨアヒムエブレが設計し、自然をふんだんに使ったエコロジーな建築で、全てのエネルギー、廃棄物を再生循環させる設計になっている。建築が単なる人が住むものではなく、社会を作る重要な要素であることを理解させてくれる。
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ドイツからリヒテンシュタイン、オーストリー最後はスイス
午後はドイツからオーストリア、リヒテンシュタインへ。国境の検問ではやはり大陸を感じます。スイスアルプスが迫る小さな王国のお城の近くで、スイスウォール天然塗り壁材を使った施工を見学です。スイスからスイスウォールのトーマスビューラー社長も合流してリヒテンシュタイン城のすぐ近くと言う絶好のロケーションにある、スイスウォールを使ったモダンで上質な新築住宅は、氷河粘土とスイス漆喰の色と言い素材感と言い天然素材の心地よさを引き出した住宅です。次に訪問したのは、同じくスイス漆喰、氷河粘土を使った、リヒテンシュタインの王立ワイン工場のワインセラーです。少量しか生産されないリヒテンシュタイン公国産の貴重なワインを熟成させる場所ですから、要求されるのは「天然素材」「静かな呼吸性」「有害物質の吸着」などです。そんな失敗されない要求を満たす唯一の素材がスイス漆喰と氷河粘土だったのです。4年前に完成以来、ヨーロッパ各地に輸出され、リヒテンシュタイン公国印の高品質なワインを熟成させる重要な要素になっています。また、そんなワインの試飲のためのレストランでも、スイス漆喰は上質感と落ち着いたインテリアを演出しています。でも、さすがに国王御用達の漆喰とは知りませんでした。道理でセレブで上質を知る人はみんなスイス漆喰を指名するわけですね。
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家を造ることの意味
ミュンヘンからスイス国境近くの「霧の出ない高原の保養地」として有名なリンデンベルグにある障害者作業施設は、ミュンヘン工科大学とフラウンフッファー研究所のユニバーサルデザインのノウハウと最先端の省エネ技術を取り入れて作られたエコロジー建築であった。冬は外気温−20度にもなるこの地で常に18度に保ちながら、一般的な施設の10分の一程度のエネルギー使用量に抑えているパッシブハウスである。ソーラー、地熱、自然換気など最先端の自然のエネルギーと建物自体に使われる大量の木材、自然な素材と天然の色彩などが評価され2006年ドイツエコロジー賞を獲得している。ガラスと木、そして自然から取った造形が障害者の生活を精神的に豊かにし、安心してコミュニティの中で働き、生活する支えになっている。ここの障害者達は車の部品を作ったり、包装したりの手仕事を中心に作業し、相当な年間生産数をこなしている。この施設から「家造りとは単なる家を作ることではなく、社会を作り、暮らしを創る大きな要素だ」と言うことを教えられた。
ECO REGION=エコ地域 (ハノーバー&ハンブルグ)レポート・2005年 9月
2005・レポート:ドイツのリフォーム市場
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リフォームから見たドイツと言う国
今年もドイツのエコ建築を見て回るエコバウツアーが9月上旬に開催されました。
ドイツのエコロジーを紹介するとき、少しvい入れや感情が先行してしてしまい、良い面だけを紹介する結果「はるか遠くの到底まねできない国」になってしまっていることが良くあります。でもこのレポートを見ると、そこに至る過程として一人ひとりの意識、政治の力、経済の力など日本でも今すぐに行動すれば、一歩近づくことがわかります。ドイツでさえも今も悩みながら行動しているのです。「国民の10%の意識が変われば、一気に状況は変わる!」ホルガーケーニッヒがツアー中何度も強調していたことです。今ドイツで多少コストが高くても自然エネルギーにするべきだ、環境を考えた製品を買うと答えた層が10%を超え、緑の党などの環境を提言する社会の組織の支旆が13%を超えました。日本ではLOHASという環境志向のライフスタイルを考えている人々が30%に達するそうです。LOHASは時代の変化が今すぐそこまで来ています。変えるのは自分達です。
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ドイツと日本の違い
この取材ツアーはドイツ北部で取り組む「ECO REGION=エコ地域」という町おこしを通じて、エコロジーな生活をする人々を取材するツアーでした。
このツアーで感じたのは1945年に敗戦した国同士なのに、片や伝統に根ざした生活を重視し、それが「スローライフ」という21世紀の生活を提案し、もう片方は良き伝統、習慣、建築までも全て忘れ、今やある部分アメリカ以上に過去の経験や文化を尊重しない国になってしまった日本。
どちらが良いかはそれぞれが決めることです。でもどちらが幸せそうか、生活を楽しんでいるかは明らかです。
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朝もやの撮影の後はアウトバーンに乗ってハノーファー方面へ約2時間。土曜日なので車も少なく小さなミニバンで4人乗って180kmでぶっ飛ばしました。知ってましたか?ドイツでは土、日曜日は大型トラックは野菜や牛乳などの生鮮食品以外を運ぶ場合はアウトバーンを走れないのです。
着いたところは世界最古の大学のあるゲッティンゲン市。ここでゲッティンゲン大学とある町が共同で行うバイオマス発電施設の見学です。お城のある中世の町ゲッティンゲンの町並みを見下ろす丘に立つバイオマス発電施設は、周辺の豚や牛の糞やトウモロコシの茎などを原料に発電し、町の全ての電力をまかない、さらに発電の廃熱でお湯をわかし、町の暖房のほとんどをまかないます。
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バイオマス施設の写真を、町の古い教会から撮っていると、「うちの家を見ないか?」と突然の申し出。ゲッティンゲン大学で中国語を専攻する女性でした。早速見せてもらうと、なんとそれは17世紀に建てられたお城。今でも公爵などが住んでいるらしく「これが今度公爵が引っ越してくる建物で、いまリフォームしているところ」などなどの解説で、「リフォームって言ってもえらい違いだなぁ」と感心。しかし、このツアーを通じて感じるのは、ドイツのいたるところに中世の歴史があり、生活習慣や建物のよいものが沢山残され、そして今でも現役で使われていることです。
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取材ツアーもいよいよ後半に突入。長いようでやっぱり短い8日間です。今日はリボスの創始者のボーテさんの自宅に訪問です。二人の息子さんが11年前に買った住宅を案内してくれ、さらにまだリフォーム中の部屋ではリボスを塗る実演までしてくれました。さすがにカリスマの住宅なのでセンス良いインテリアと独特の色使いの外装でまとめられ「ボーテさんらしいなぁ」と納得です。
エコバウ取材ツアーもようやく4日目。この頃になると少し時差にも慣れてきました。さて今日はエコロジーライフを実践するエヴァーさんを訪問します。この夫婦の住宅は隣が牧場の横にあるログハウスです。きれいな庭の花と奥さんの笑顔、そして由緒のある暖炉が印象的でした。花と自然に囲まれた生活は「うらやましい」の一言です!本物の木に囲まれたインテリアの中にセンスの良い(ほとんどの家がセンスが良い)家具や、なんと言っても存在感があるのが暖炉でした。
暖炉は漆喰で固められ、お父さんの形見のマイセンの皿が埋め込まれています。家族、自然環境を考えずにはいられない風景でしたお昼に訪れたのは数百年前の農家を買い取り、最近ECOホテル&レストランをオープンしたHOF ROSE(バラの家)です。まさにその名の通り一面花と自然に囲まれたすばらしいホテルでした。
牛、豚、野菜を全て自家生産し、宿泊客に提供するこのホテルは、2年前の開業ですが、そのスタイリッシュでアンティークな外観と内装そして食事で人気を集めています。パンとスープという簡単な昼食ながら、抜群の雰囲気とすばらしい天気でこれ以上ない食事でした。
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リボスの製品は30年前から変わることのない「徹底した安全性」と「自然と調和し心がくつろぐ色調」です。そのために「生産履歴のある自然素材」を「成分完全明示」で製造し、自然素材にも潜む有害物質までをすべて排除しています。そのためすべて手作りに近い工程で製造され、不純物や予期せぬ有害物質が入っていないかをラボでチェックします。
特に亜麻仁油を絞る工程は「工場」にはほど遠く、リボスのこだわりが出ています。まず有機栽培の亜麻を使い、低速で回転する絞り機で、機械温度40度で「一番絞り油」を絞り出し、それをさらにフィルターで濾して食品レベルの亜麻仁油が出来上がります。この時の機械温度が40度を大きく超えると亜麻仁油に含まれるビタミンDが壊れ、亜麻仁油の酸化を大幅に進めてしまい塗膜の紫外線による劣化を早めます。でも、多くのメーカーはこの絞り工程で効率を上げようと回転をあげるので、80度まで上がってしまい紫外線に弱い塗料が出来上がるのです。
出来上がった亜麻仁油と共に、搾りカスも農家に「ビタミンDのたっぷり入った牛の飼料」として完全に使い切られます。その牛の糞が亜麻の肥やしになり、完全に循環する仕組みがあります。
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ECO REGION=エコ地域
今回の取材した地域はハノーバーとハンブルグのちょうど真ん中あたりです。ドイツが東西分離時代は国境線がすぐそこにあり、いわゆる一発触発の危険性のある不安定な土地でした。だから企業も無く、人口も少ない発展の可能性の無い土地でした。しかし約10年前リボスがこの土地に進出した事をきっかけに「何も無いこと=自然が豊富」が他の地域に無いものと気づきエコロジーな会社、自然を求める人々の関心を集め始めました。その結果、現在ではこの地域は「エコロジー地区」としてドイツ中に向けて情報発信しビジネスとしても成功しつつあります。リボス自然健康塗料を初めとし、バイオ農業、畜産のDemeter認定バックホフ農場、自家栽培野菜肉が売り物のエコホテル風力発電事業エコロジー家具などなど多くのエコロジー企業が集まり、乗馬や豊富な自然とあわせて地域をブランド化することに取り組んでいます。
今回実際にそのうちの一つのホテルに滞在しましたが、連日レストランは30-40歳の女性で満員で、宿泊も多く、エコロジーがビジネスに直結しつつあることが実感できました。
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